
廃棄物・資源循環研究室の取り組み
放射性物質に汚染された廃棄物・土壌などの発生から、適正な管理・処分に至るまでに必要な技術・システムの開発・評価を総合的に行います。
廃棄物・資源循環研究室では、中間貯蔵施設に搬入された除去土壌等の減容化や再生利用、県外最終処分に向けた技術開発やシナリオ評価を進めています。具体的には、除去土壌の活用を想定した盛土実証実験や室内大型実験装置を用いた実証実験のほか、飛灰洗浄や吸着材の評価に係る室内実験、県外最終処分のシナリオ・コスト評価を行います。
また、除去土壌等に含まれる放射性セシウムの多くは再生利用や処理処分の過程で、人工的に移動します。こうした放射性物質の人工的な移動と大気、土壌、河川、海域等での自然環境での移動を合わせて、福島県域での全体の流れを可視化し、原子力事故による環境での動き、廃棄物処理システムを総括します。これに関連して、原子力事故後10年間の汚染廃棄物処理状況の記録し経験値として国際発信するとともに、今後の原子力災害に備えるための廃棄物処理計画へ展開していきます。
研究概要
- 除去土壌等の県外最終処分のためにどんな技術システムが必要?
- 福島県内での廃棄物処理による放射性セシウムのフローはどうなっている?
- 原子力災害が起きた際の災害廃棄物をどう処理すべき?
県外最終処分での再生利用・減容化技術の開発研究
- 除去土壌の活用を想定した盛土実証、室内大型ライシメーター装置を用いた実験
- 溶融スラグの環境安全性評価
- 溶融飛灰の減容化のための洗浄・吸着(濃縮)試験

廃棄物処理による放射性Csのフローの総括
- 除染・廃棄物処理、環境圏での放射性セシウムのフローの総括
- 帰還困難区域等の復興に伴う放射性セシウムのフロー整理

原子力災害廃棄物処理の検証
- 汚染廃棄物理の記録
- 万が一の原子力災害に備えるための原子力災害時の廃棄物処理計画へと展開
- 放射性セシウムの廃棄物処理への影響を経験知として国際発信
