
環境影響評価研究室の取り組み
野生の山菜やキノコへの放射性セシウムの蓄積特性の解明、放射性セシウムの水中での動態と淡水魚への移行経路の解明、および避難指示区域内外にある里地里山の生物群のモニタリングと動態モデリングを行い、被災地域における生活環境リスクの評価とその管理手法の構築・提案とその検証を行います。
環境影響評価研究室では災害環境研究プログラムの「被災地域における環境影響評価及び管理研究 」を中心とする研究に取り組んでいます。福島県内の山林の大部分では除染が進んでいないため、一部の山菜類、キノコ類や淡水魚では放射性セシウムの濃度が食品基準値を超えて利用できなくなっています。私たちはこれらの生物を対象として放射性セシウム濃度が高い原因の解明、採取や摂取による被ばくリスクの評価、および長期的なモニタリングデータを活用した将来予測モデルの開発といった研究を行っています。それに加えて、これらの生物の放射性セシウムの濃度の低減することを目的に、山菜類ではカリウムの施肥などによる放射性セシウムの移行の抑制効果の検証や、淡水魚ではダム湖の除染などの対策を行った場合の濃度低減予測も進めています。
また、住民避難が続いている帰還困難区域を中心に、哺乳類、昆虫類、鳥類及びカエル類を対象とした長期的なモニタリング調査を実施し、生物相の実態解明や避難指示などが生物相に与える影響の解明を行っています。これらのモニタリングデータを活用して、避難指示区域の内外における生態系サービスの評価とそれを管理する指標の提案、および生物由来の感染症罹患リスクの評価に取り組んでいます。
山菜・キノコの利用リスクの軽減

淡水魚の放射性物質の将来予測
放射性セシウム(rCs)の動態解明
- Sub1:淡水生態系へのrCs移行解明
- Sub2:ダム湖放流水中rCsの将来予測
- Sub3:除染の費用便益評価

避難指示区域内外の生態系・感染症の調査
