研究の概要
帰還地域等における長期的環境影響評価と環境保全手法の構築するために、帰還地域の長期的環境影響評価と生活環境リスク管理手法の構築・適用を行うとともに、無人化や除染の影響を含めた生態系アセスメントを実施します。
具体的には、以下の課題に取り組みます。
課題
- 多媒体環境における放射性物質の動態解明及び将来予測を行います。環境計測により流域圏における放射性セシウムの動態を明らかにし、将来予測のための数理モデルの高度化や精致化を行うことで除染事業や長期環境モニタリング体系の構築に貢献します。
- 環境放射線と人為的攪乱による生物・生態系への影響評価を行います。生態系変化の実態把握や放射線の生物影響評価、および生態系モデルによる将来予測を行うことで、生態系管理政策支援と害獣等の管理目標の設定に貢献し、また帰宅住民への情報提供により安全・安心な日常生活を確保します。
- 生活圏における人への曝露量評価を行います。放射線被ばくの数理モデルを用いることで長期的な被ばく線量予測や、疫学手法を併用し被ばくのみならず原発事故後の生活・習慣の変化による健康リスクを評価します。避難地域の自治体、住民、NPOと協働した生活環境のモニタリングを実施し、被ばく低減に資するデータを収集します。