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研究・活動内容-PG2-震災直後:研究の概要・成果

研究・活動内容

環境創生研究プログラムの概要

東日本大震災からの復興は我が国の急務であり、重要な課題です。震災による大量の廃棄物の問題、放射性物質汚染の課題等とならんで、災害を被った産業や社会基盤の復興、および地域社会の再生が重要な課題として残されています。
環境創生研究プログラムでは、災害からの自律的な地域環境の再生と創造(環境創生)を進めるため、被災地域の地域分析、地域の将来シナリオの設計と評価、および自治体をはじめとする地域主体と連携した社会推進研究を推進します。ここでは、先行的に実施しているエネルギーの視点から地域の復興計画立案を支援する研究の取り組みについてご紹介します。

地域の将来シナリオの設計例(イメージ)
地域の将来シナリオの設計例

地域エネルギーシミュレーションモデルの開発と環境創生への適用

環境創生の観点から地域を支援する、様々なシステム開発に取り組んでいます。
例えば、福島県および宮城県の境界部に属する市町を対象とした未利用エネルギー・再生可能エネルギーの賦存量に関する検討例では、エネルギーの需給ポテンシャルを比較すると、太陽光発電システムが有望であるとともに、沿岸域ですでに稼働を再開している工場群の排熱利用のポテンシャルの大きさが分かります。環境資源を活用した実現可能性の高い施策を実施することによって、エネルギー効率の高い都市が構築出来ることが分かりました。
環境創生の取り組みには、長期的かつより広い観点からの取り組みが必要です。そこで、地域の将来を予測する方法や、自治体間の連携効果をより詳細に把握する手法についても開発しています。これらの統合により、包括的な地域ビジョンの計画支援が可能になると考えています。

地域エネルギー計画支援フレーム 地域エネルギーポテンシャル評価 小地区単位での将来人口推移予測 地域熱供給ネットワークの適正範囲の検討

ICTを活用した地域実体情報のデータベース構築

地域情報を収集・蓄積し、解析結果を地域に還元する双方向型ネットワークを構築し、同時に地域の「絆」の醸成を支援するシステムづくりを推進しています。

グリーンプロダクト支援

社会実装へ向けた地域連携の取り組み

地域の住民、企業、行政、教育・研究機関と連携し、研究成果に基づいた意思決定支援の枠組みを構築しています。

新地町との連携の経緯

環境創生研究の成果

東日本大震災の地域の復旧・復興の過程で、基幹的なライフラインや住宅の復旧整備が急速に進められています。
これまでの取り組みを踏まえ、その効果を持続化・加速化させるために、このような中長期的観点からの科学的な検討が必要となっています。
国立環境研究所では、社会環境システム研究センターが中心となり、環境都市研究の一環として開発してきた地理情報システムを活用した環境都市の評価システムを被災地都市に適用するとともに、原発事故後のエネルギー需給や温暖化対策の見直しに対応した復興シナリオの検討を実施しています。

くらしアシストタブレット(エネルギーの見える化・くらしアシストタブレット)

復興支援を目的にICT(情報通信技術)を活用した地域情報システム(コミュニティ・ネットワーク・システム)の設計・開発を推進しています。コミュニティ・ネットワーク・システムは、タブレット端末と地域情報を集約したサーバー(地域環境ナレッジハブサーバー)およびエネルギー制御システムを連携することで、家庭・業務での省エネルギーを実現するだけでなく、地域福祉の増進や地域交通を円滑化させる社会技術システムとして開発を進めています。
福島県・新地町との研究協定を通じた実証試験により、タブレット型パソコン50台を希望世帯に配布し、地域の実態的なデータを取得や双方向コミュニケーションの実証事業を開始しています。
この基盤を活用し、エネルギー・福祉,経済活動支援等に関連する複合的なサービス情報を共有することで、コミュニケーションの不足に陥ることが懸念される復興段階の住民,役所,NPO,企業間の情報の「絆」の強化を支援する予定です。

●大西悟, 藤田壮, 平野勇二郎, 藤井実, 戸川卓哉:低炭素化と高福祉の同時実現を目指すコミュニティ・ネットワーク・システムの開発. SATテクノロジー・ショーケース2014, 同「プログラム&アブストラクト」集, 87, ,2014

新地町での復興支援の暮らしサポートネットワークの構築例(イメージ)
新地町での復興支援の暮らしサポートネットワークの構築例
タブレット表示画面(イメージ)
タブレット表示画面

地域エネルギー資源を活用した復興まちづくりの計画支援システムの開発

エネルギー制約が厳しさを増す中、地域に賦存する固有のエネルギー資源(未利用エネルギー・再生可能エネルギー)の有効活用が課題となっています。復興・再生を見据えた長期的観点から未利用熱源を活用した地域エネルギー供給策の評価を行うため、住宅・商業・農業等の立地パターンをシナリオとして設定し、まちづくりとエネルギー政策が地域のエネルギー需給に与えるインパクトを定量評価するフレームワークを構築しました。東日本大震災による被災都市である福島県・新地町を対象として、地域エネルギー資源の一つである産業未利用熱を回収し有効活用する施策の検討を行いました。その結果、有効な土地の利用策が見いだされていない津波浸水区域における植物工場等のエネルギー集約型産業の新規立地効果を評価し、現況都市構造との比較から土地利用政策・産業誘致策等の方向性について分析を行いました。

● Togawa T., Fujita T., Dong L., Fujii M., Ooba M.: Feasibility Assessment of Power Plant Source Waste Heat to Plant Factory Considering Spatial Configuration, Journal of Cleaner Production, Volume 81, 15 October 2014, Pages 60–69

● 戸川卓哉,藤田壮,谷口知史,藤井実,平野勇二郎: 長期的な土地利用シナリオを考慮した地域エネルギー資源活用策の評価手法, 土木学会論文集G(環境),Vol.69,No.6,(環境システム研究論文集第41巻),pp.Ⅱ_401-Ⅱ_412,2013.

エネルギー資源とコストのフローチャート図
新地町周辺地域のエネルギーコストとCO2排出量(イメージ)
新地町周辺地域のエネルギーコストとCO2排出量

新地町の将来像を考えるワークショップの開催

2014年1月23日(木)に、福島県新地町の新地町立尚英中学校において、1年生(3クラス88名)を対象に、2050年の新地町の将来像を考えるワークショップ「2050年の新地町を考えよう!」を、中学校並びに新地町教育委員会のご協力のもとで行いました。このワークショップは、復興が進む新地町において、短期的ではなく2050年という長期のまちづくりや復興を検討するためのニーズを掘り起こすことを目的として行いました。ワークショップは各クラスの生活班(4-6人で構成)に分かれて行いました。主として2050年に新地町がどのようになっていてほしいかについて、生活班で改めて話し合ってもらい、最後に班ごとに発表しました。

● 岩渕裕子, 増井利彦, 芦名秀一, 高橋敬子, 金森有子, 戸川卓哉 亀井未穂, 藤田壮, 森保文, 大西悟, 松橋啓介:新地町立尚英中学校ワークショップ「2050年の新地町を考えよう!」報告書, 社会環境システム研究センター・ディスカッションペーパー(ID:2014-03), http://www.nies.go.jp/social/dp/dpindex.html , 2014

グループ作業の様子(写真)
グループ作業の様子
結果の例(イメージ)
結果の例
  • ふくしまの環境のコト、知ってる?「ふくしまから地域と環境の未来を考えるWebマガジンFRECC+(フレックプラス)」
  • 研究記事ナビ 知りたい研究の内容が分かる記事にナビゲートします
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  • 3Dふくしま
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