本研究では、茨城県つくば市役所に報告されたロードキル※記録にある哺乳類の種名が、通報した市民と回収した委託業者によって正しく判別されていたのかを調査しました。
結果、市民による種判別は比較的間違いが多いのに対し、委託業者はその間違いを正し、最終的な判別の信頼性向上に大きく寄与していました。一方で、キツネ・アナグマ等の目撃例の少ない種、アライグマ・ハクビシン等の外来生物の記録は、ネコやタヌキ、イタチなど比較的身近な種と間違えられる傾向がありました。現状では道路清掃や動物救護のために用いられる記録ですが、さらに種判別の信頼性向上を図ることで、地域における野生哺乳類の出現を示す貴重な記録となる可能性があります。
※ ロードキル(Roadkill):主に道路を走行中の野生生物(特に哺乳類)を轢いて死亡(轢死)させてしまうこと。
2019年度 環境情報科学研究発表大会スライド「市民による通報をベースとした自治体の収集するロードキル記録における種同定の特徴」
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