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環境制御温室における栽培風景

  人工光型グロースキャビネット

 

   エコトロン人工光室での実験

地球環境の変化が生物・生態系に与える影響を明らかにし、適正な管理指針を策定するためには、綿密な実験による生物応答の情報を収集することが不可欠です。当施設(バイオトロン、エコトロン、地球温暖化研究棟の3施設)では、環境を制御することにより、幅広い影響評価実験が可能です。

  •  施設概要と内訳
バイオトロン 気候変動、オーバーユース、アンダーユース、人的攪乱(外来種や汚染物質、放射性物質)等が生物・生態系の機能に与える影響を評価し、適切な環境政策方針をつくるための基盤となる情報の取得を目的とし、主に植物を対象とする基盤的・継続的な研究手段として位置づけられる施設です。

施設内訳

 環境制御温室 6室
 グロースキャビネット(*) 人工光型9台、自然光型4台
  (*)温湿度・光条件などの制御により様々な環境条件を再現し、植物の育成試験等を行う装置。
     高二酸化炭素(CO2)濃度や大気汚染ガス(O3, NO2, SO2)の処理も可能。
エコトロン CO2濃度の上昇、気温上昇、降水量変化が植物、動物、微生物に及ぼす影響に関する研究を行うための基盤的な研究手段として位置づけられる施設です。        

施設内訳

 大型人工光室 3室
地球温暖化研究棟
生態系パラメータ実験施設
主に、生態系に対する地球温暖化の影響評価を行うための基盤的な研究手段として位置づけられる施設です。

施設内訳

 環境制御キャビネット 1台
 材料順化キャビネット 4台
 高精度制御小型キャビネット 2台

研究事例『光変動パターンが植物の機能と成長におよぼす影響』

  •  担当者: 生物・生態系環境研究センター 冨松 元

自然環境下では、植物に照射される光強度は時間的に大きく変化します。例えば、時々の雲量や葉の動きによって光強度が数秒内に何百倍も変わります。植物は、光資源を効率的に利用するために、光強度の増加・減少に対して迅速に応答できます。しかし、その応答のプロセスやメカニズム、またその応答特性が植物の成長におよぼす影響等については、十分にわかっていません。

そこで、近年普及してきた高輝度LEDを用いて、様々な光変動パターンが植物の光合成機能、成長量におよぼす影響を調べています。さらに、二酸化炭素濃度や気温など他の環境因子や、オゾンなどの大気汚染物質が、上記の光合成応答プロセスやメカニズムにおよぼす影響についても研究を展開しています。これらの成果を、現在開発中の植物変動環境応答モデルに組込むことで、自然環境条件下での二酸化炭素吸収量や一次生産量を高精度に予測推定することが可能になると期待されます。
 

人工光室内での栽培風景
(栽培植物種:ポプラ、撮影時の光源:水銀灯)

高輝度3色LEDを用いた光合成測定


研究事例『葉表面の気孔の閉じ具合を調整しオゾン耐性を強化』

  •  担当者: 生物・生態系環境研究センター 佐治 光

近年、大気汚染が農作物や森林に甚大な被害をもたらしている。今回、植物の葉緑体の発達を制御する転写因子(GLK1、GLK2転写因子)のキメラリプレッサーを植物で発現させると、大気汚染物質であるオゾンに対する耐性が著しく向上することを明らかにした。

この転写因子のキメラリプレッサーを発現させた植物では、気孔が閉じ気味であり、GLK1、GLK2転写因子が気孔の開閉に関わる因子に影響を与えることが分かった。これらの転写因子を用いて適切に気孔の閉じ具合を調節することができれば、大気汚染耐性や干ばつ耐性などの環境ストレスに強い作物の開発に貢献することが期待できる。


植物のオゾン耐性を向上させるメカニズム


Last updated May. 31, 2016