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集水域における炭素-窒素-リンの共役循環が湖のメタン動態に及ぼす影響の解明(平成 28年度)
Effects of C-N-P cycle on methane emission in the watersheds

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1619CD004
開始/終了年度
2016~2019年
キーワード(日本語)
メタン,ホスホン酸
キーワード(英語)
methane,phosphonates

研究概要

湖は大気への主要なメタン放出源である。リン欠乏の貧—中栄養湖沼では、大気へ脱ガスするメタンの多くが浮遊性微生物による有機リン(ホスホン酸)代謝により好気的に生成したものである。さらに、窒素濃度が高く有機炭素濃度が低い河川水の流入が湖の好気的メタン生成を加速させる可能性も浮上してきた。本研究は、集水域の炭素—窒素—リンの共役循環が湖の好気的メタン生成に及ぼす影響を明らかにする。とくに、集水域のCNPバランスの変化が1)好気的メタン極大の形成、2)湖水中のホスホン酸の挙動、および3)ホスホン酸代謝を担う浮遊性細菌とC–P結合開裂酵素(phn)遺伝子の発現状況に及ぼす影響を定量化する。さらに、4)P飢餓状態における微生物細胞内のホスホン酸生成過程と5)メタン生成カイネティクスを明らかにし、集水域のマルチ元素(CNP)動態が大気へのメタン放出に及ぼす影響を予測する。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備

全体計画

本研究では、以下の5課題について、サブテーマに分け、研究を行う。
 1)集水域のマルチ元素バランスと湖のメタン極大形成の関係解明
 2)ホスホン酸の湖水中における起源・挙動とメタン極大との関係解明
 3)ホスホン酸代謝を担う浮遊性細菌とphn遺伝子(C-Pリアーゼ)発現の時空間分布の解明
 4)リン飢餓状態における微生物細胞内のホスホン酸生成過程
 5)栄養塩バランスの異なる湖水における好気的メタン生成カイネティクスの定式化
以上により、集水域のマルチ元素(炭素、窒素、リン)の共役循環が湖の好気的メタン生成に及ぼす生態学的化学量論効果をメカニスティックに解明する。

今年度の研究概要

湖水中のホスホン酸の起源と分布を調査するため、懸濁物質中のリンの形態を固体核磁気共鳴分光法(solid-state NMR)により特定する10)。具体的には、各湖の複数の水深から採集した懸濁物質を20µmおよび0.7µmフィルターで捕集し、31P-NMRスペクトルからホスホン酸の存在量を測定する。
実際には、日本における幾つかの貧栄養湖において、大量の濾過を行った上で。そこに含まれるホスホン酸の検出・同定を行う予定である。

外部との連携

研究代表者:岩田 智也 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (50362075)
研究分担者:篠原 隆一郎 国立研究開発法人国立環境研究所, 地域環境研究センター, 主任研究員
      小島 久弥 北海道大学, 低温科学研究所, 助教 (70400009)
      田中 健太 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (80512467)

関連する研究課題

課題代表者

篠原 隆一郎

  • 地域環境研究センター
    湖沼・河川環境研究室
  • 主任研究員
  • 博士(環境学)
  • 土木工学,工学,地理学
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