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サブテーマ3-3
災害・事故等で懸念される物質群のうち難揮発性物質に対する新規網羅分析手法の開発

 緊急的な事態に対して、迅速かつ多様な物質に対応可能な環境監視手法を整備するために、本サブテーマでは親水性の有機化学物質をメインの対象物質として高速液体クロマトグラフ飛行時間型質量分析計(LC-QTOFMS)を用いた網羅分析手法の開発を実施する。そして、実際の現場における環境試料(平常時及び増水後の河川水試料、事業場排水試料)の分析を進めることで実地訓練を重ね、化学物質漏洩事故等への対応力を強化する。

  • LC-QTOFMSに内蔵されているデータベース(DB)に、化学物質の種類ごとの保持時間、精密質量情報(フラグメントイオン含む)、衝突断面積(CCS)情報を登録していく。
  • 河川水等の環境試料だけでなく、マトリックスの多い排水試料の分析を繰り返すことで、緊急時対応に対する実戦力の強化を図る。
「サブテーマ3-3概要図:親水性有機化合物を中心に高速液体クロマトグラフ飛行時間型質量分析計(LC-QTOFMS)のデータベースに登録して、緊急時対応力を養成。サブテーマ3-1、3-2の成果と合わせて幅広い性質の物質について網羅分析法を開発する。」クリックすると図の拡大表示

揮発性~難揮発性の化学物質の漏洩時に対応可能な網羅分析開発

リーダーから一言:サブテーマ3-3リーダー

「公益財団法人東京都環境公社 東京都環境科学研究所 環境リスク研究科 主任研究員 西野貴裕」の写真
公益財団法人東京都環境公社 東京都環境科学研究所
環境リスク研究科 主任研究員
西野 貴裕

 化学物質漏洩事故等の緊急的な事態に対して、LC-QTOFMSの性能を最大限に活用して原因物質を迅速に特定し、その情報を行政部門へ発信することで早急な対応が可能になることが期待できます。本手法を開発・普及することで、化学物質に関する環境行政の推進に貢献していきたいと考えています。

環境省
独立行政法人 環境再生保全機構
公益財団法人東京都環境公社
公益財団法人東京都環境公社 東京都環境科学研究所