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サブテーマ1-4
災害・事故等の非定常状況下における曝露量把握手法に関する研究

 災害・事故等の非定常状況下において化学物質のリスクを評価するためには、災害・事故等の発生時から収束に至る時間経過における曝露量を把握することと、曝露量が大きく変化する際の影響評価が必要である。個人の行動状況の違いによる個人曝露量の変化を迅速に把握することができれば、速やかな退避等の判断が可能になるため、体系的な防災・危機管理体制の構築に貢献することが期待される。しかし、化学物質の曝露量把握に関して、現状では解決すべき課題が残されている。

  • 1. 災害・事故等の非定常状況下における化学物質への曝露状況を迅速に把握するため、揮発性有機化合物(VOC)に関しては動力が必要ない小型携帯捕集法の一つである拡散型パッシブサンプラーを用いた個人曝露量把握方法を検討する。
    →各対象物質のサンプリングレートを算出していく過程で、サンプリングレートに大きく影響を与える環境条件(風速、湿度、温度、濃度変化等)を明確化する。特に、非定常状況下では濃度変化が大きいことが想定されるため、重点的に検討する。
  • 2. 拡散型のパッシブサンプラーの適用が難しい半揮発性有機化合物(SVOC)の個人曝露量把握方法の検討を行う。
    →SVOCには拡散型のパッシブサンプラーは使用できないことが予想されるため、ハンドワイプ法やシリコンパッシブ法に関する情報を収集することで、適応可能な物質の種類やその濃度範囲を把握する。非定常状況下での環境条件を想定したSVOCのサンプリングレートなどの評価を行う。
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災害・事故等の非定常状況下における様々な化学物質に対する個人曝露量の迅速な把握手法構築

リーダーから一言:サブテーマ1-4リーダー

「国立大学法人横浜国立大学 大学院環境情報研究院 理工学部 化学・生命系学科 准教授 三宅祐一」の写真
国立大学法人横浜国立大学 大学院環境情報研究院
理工学部 化学・生命系学科 准教授
三宅 祐一

 災害・事故等の非定常状況下において利用可能なかつ迅速な個人曝露量の把握手法を確立することができ、迅速な曝露関連情報の共有が可能になれば、周辺住民の速やかな退避・帰還等の判断が可能になると考えています。災害・事故の際の安心・安全に繋がるような研究を進めて行きます。

環境省
独立行政法人 環境再生保全機構
横浜国立大学 YOKOHAMA National University
静岡県公立大学法人静岡県立大学 UNIVERSITY OF SHIZUOKA