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サブテーマ1-3
非定常状態における健康リスク評価手法の基礎的検討

 災害・事故等の非定常状態によって想定される、時間とともに変動する曝露要因に対する健康リスクの評価は世界的にもほとんど検討されていない。従来、化学物質の健康リスク評価として実施されている試験は、実験動物を用いた化学物質の単回投与、あるいは一定量を反復投与した場合の影響を調べるものであり、非定常状態は想定されていない。しかし、非定常状態という新たなリスク評価に向けた実験的評価手法の確立は、近い将来に発生が予測されている災害・事故が起こる前に実施すべき課題であり、緊急に新たな研究分野として構築する必要がある。そこで本サブテーマでは、実際の非定常状態の化学物質曝露として想定される「曝露量の変動が与える健康影響」および「曝露歴の有無が与える健康影響」の実験的評価手法と毒性指標について検討することにより、非定常状態の化学物質曝露が及ぼす健康リスクを評価するための基礎的知見を提供し、化学物質対策に貢献することを目的とする。

「サブテーマ1-3研究計画の概要図を示す:非定常的な化学物質曝露による健康影響の実験的評価として「曝露量の変動が与える健康影響の評価」と「曝露歴の有無が与える健康影響の評価」の二つを行います。従来法と新たな評価手法との間に違いが表れるか否かを検討します。」クリックすると図の拡大表示
「サブテーマ1-3研究体制図」クリックすると図の拡大表示

非定常的な化学物質曝露による健康影響の実験的評価。「曝露量の変動が与える健康影響」「曝露歴の有無が与える健康影響」の2パターンについて、従来法と新たな評価手法との間に違いが表れるか否かを明らかとする。その結果をもとに最終的には非定常的な化学物質曝露に対応する健康リスク評価手法を構築し、施策形成の基礎知見を提供する。

リーダーから一言:サブテーマ1-3リーダー

「明治大学農学部農学科 動物環境学研究室 専任講師 川口真以子」の写真
学校法人明治大学農学部農学科 動物環境学研究室 准教授
川口 真以子

 世界的に災害・事故等が増加する中、化学物質の広域曝露の可能性も増加しています。当研究室では今まで、環境中に存在する化学物質が生体に及ぼす影響について研究してきました。本研究では、今までの毒性学では検討されてこなかった非定常的な化学物質曝露の健康リスク評価に挑戦し、災害対策の一助となることを目指します。

環境省
独立行政法人 環境再生保全機構
明治大学 MEIJI UNIVERSITY