研究内容
S-8-1(9) 温暖化適応政策による地域別・部門別の
受益と負担の構造に関する研究
温暖化自体および温暖化対策(緩和政策・適応政策)に関するトップダウン型の全国影響評価を動学的・空間的応用一般均衡モデル(Dynamic and Spatial Computable General Equilibrium Model: DSCGEモデル)で展開することを最終目的とする。
① 温暖化被害評価の精緻化
既存研究の成果より、温暖化による各分野の物理的な影響度合い(発生規模・頻度・確率)とその貨幣評価を抽出・整理する。不足する分野については、仮想市場評価法CVMや旅行費用法TCMなどに基づく調査・分析で補完して、温暖化被害評価を精緻化する。この成果をS-8の他分野へ提供し、その妥当性を検討する。そして、不十分な点を修正し、成果のさらなる精緻化を目指す。このプロセスを繰り返し、成果のさらなる精緻化を目指す。
② 温暖化被害関数の開発
温暖化影響による各分野の物理的な影響度合いを要素とする個人の効用関数や企業の生産関数を定式化することにより、温暖化被害関数を開発し、また当該関数のパラメータを推定する。さらに、一般市場均衡条件の枠組みで当該関数を展開することにより、温暖化被害コストの内訳を明らかにする。この成果をS-8の他分野へ提供し、その妥当性を検討する。そして、不十分な点を修正し、成果のさらなる精緻化を目指す。このプロセスを繰り返し、成果のさらなる精緻化を目指す。
③ 空間的応用一般均衡モデルの開発
Survey手法によって作成された2005年の地域内表に基づいて地域間交易を推計し、Non-Survey手法を併用した地域間産業連関表を作成する。そして、世帯・企業・行政の行動を定式化し、静学的な空間的応用一般均衡SCGEモデルを構築する。さらに、政策シミュレーションを試験的に実施する。構築したSCGEモデルを動学化し、動学的・空間的応用一般均衡DSCGEモデルを構築する。DSCGEモデルによる政策シミュレーションを実施し、年代別・地域別・部門別の最終帰着便益を求める。そして、その結果を便益帰着構成表にとりまとめ、温暖化適応政策による年代別・地域別・部門別の受益と負担の構造を明らかにする。
④ 温暖化適応政策に関する代替案の設定
温暖化適応政策について技術的対策(防災関連の社会資本整備など)と制度的対策(災害保険の適用など)の両面から種々の代替案を立案し、それらの比較・検討を通じて有効な代替案を設定する。また、③の政策シミュレーションを監修し、その成果としての知見を整理する。この成果をS-8の他分野へ提供し、その妥当性を検討する。そして、不十分な点を修正し、成果のさらなる充実を目指す。このプロセスを繰り返し、成果のさらなる充実を目指す。また、③の政策シミュレーションを監修し、その成果としての知見を整理する。特に、効率性・公平性の観点から、望ましい政策を評価する。
グループメンバー(*:課題リーダー)
温暖化被害評価の精緻化 |
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① |
氏名 |
所属機関・部署 |
*大野 栄治 | 名城大学 都市情報学部 | |
森杉 雅史 | 名城大学 都市情報学部 | |
温暖化被害関数の開発 |
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② |
氏名 |
所属機関・部署 |
坂本 直樹 | 東北文化学園大学 総合政策学部 | |
空間的応用一般均衡モデルの開発 |
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③ |
氏名 |
所属機関・部署 |
中嶌 一憲 | 兵庫県立大学 環境人間学部 | |
温暖化適応政策に関する代替案の設定 |
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④ |
氏名 |
所属機関・部署 |
森杉 壽芳 | 日本総合研究所 特別研究本部 |
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