s-8 logo温暖化影響評価・適応政策に関する総合的研究

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研究内容

S-8-1(6) 農業・食料生産における温暖化影響と
適応策の広域評価

 独立行政法人農業環境技術研究所

 日本全国を対象として、コメおよびコメ以外の作物への温暖化影響評価、および影響軽減のための適応策とその効果を、予測の不確実性を考慮にいれて広域的に評価する。

① わが国における温暖化のコメ等穀物生産への影響と適応策
地域ごとのコメ生産に関する詳細な統計データや水田水利用および水管理に関するデータ、および高解像度気象メッシュデータと土地利用データを整理する。また、コメ以外の作物に関する既往のモデルのリサーチを実施する。
気象、農業統計、地理情報データに基づき、コメおよびコメ以外の作物生産に関する影響評価モデルのプロトタイプを構築する。各モデルのテストランを実施し、検証結果に基づくモデルの高度化により推定精度の向上を図る。
③と連携の上、複数の気候モデル予測の不確実性を考慮に入れたより高度な評価手法により、穀物生産の広域的で確率的な影響予測と影響軽減のための方策が実施された場合の効果を評価する。

② 温暖化によるわが国の果樹生産適地移動の幅と適応技術の評価
わが国の果樹主要品目について、既往の成果に基づいて、不確実性を考慮した適地移動モデルのプロトタイプを構築する。
温暖化適応技術の事例の収集ならびに栽培試験による効果の定量化、および気候モデル予測の不確実性を考慮に入れた適地移動モデルの構築を行う。
③と連携の上、複数の気候変化予測値を使用し、影響予測の結果の差異を明らかにする。それにより、果樹の温暖化影響の軽減のための適応技術についての費用対効果を計る際に、予測の不確実性が考慮された有用な知見を提供する。

③不確実性を考慮した農業影響および適応策の評価
不確実性を考慮する既往の手法を用いて、現在まで不確実性を考慮した影響評価が行われていない作物を対象に不確実性を考慮した影響評価を行う。
影響予測の不確実性低減する手法を開発・確立するとともに、作物モデルにおける不確実性の要因解析に基づく不確実性低減手法の開発および不確実性低減に向けた作物実験の設計提案などを行なう。また開発した不確実性低減手法を用いて、実際に影響評価を行う。
開発された不確実性低減手法を用いて、①および②で開発された高度なモデルにより、不確実性を考慮した上で様々な適応策の効果を評価し、適切な適応策の検討を行なう。

 

グループメンバー(*:課題リーダー)

わが国における温暖化のコメ等穀物生産への影響と適応策
氏名
所属機関・部署
*石郷岡 康史 農業環境技術研究所 大気環境研究領域
桑形 恒男 農業環境技術研究所 大気環境研究領域
西森 基貴 農業環境技術研究所 大気環境研究領域
長谷川 利拡 農業環境技術研究所 大気環境研究領域
飯泉 仁之直 農業環境技術研究所 大気環境研究領域
福井 眞 農業環境技術研究所 大気環境研究領域
中川 博視 農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究
センター
大野 宏之 農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究
センター
中園 江 農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究
センター
吉田 ひろえ 農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究
センター
丸山 篤志 農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究
センター
温暖化によるわが国の果樹生産適地移動の幅と適応技術の評価
氏名
所属機関・部署
杉浦 俊彦 農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所
阪本 大輔 農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所
杉浦 裕義 農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所
藤井 浩 農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所
大原 源二 農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究
センター
不確実性を考慮した農業影響および適応策の評価
氏名
所属機関・部署
増冨 祐司 埼玉県環境科学国際センター 温暖化対策担当
米倉 哲志 埼玉県環境科学国際センター 自然環境担当
三輪 誠 埼玉県環境科学国際センター 自然環境担当