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イベント

脱炭素社会には何が必要?「環境カフェふくしま」の報告会を開きました

困難のなか開催できた活動報告会

2022年3月23日(水)、安積黎明高校化学部から23名が「環境カフェふくしま活動報告会」に参加するため福島県環境創造センターにやってきました。
実は、開催日の前の週の3月16日に、福島県沖を震源とする最大震度6強の地震があり、会場までの公共交通機関にも影響がありました。
地震発生直後は開催も危ぶまれましたが、地震から1週間後の開催当日には無事復旧し、予定どおり報告会を行うことができました。

プログラムの全体の様子+高校生インタビュー(撮影・編集 常盤達彦)

「環境カフェふくしま」は、環境課題をテーマに対話を通じて、問いを立てる力、質問力、探求力、観察力、理解力などの科学技術リテラシーを身につけることを目的とした、国立環境研究所福島地域協働研究拠点(以下、福島拠点)が行うプログラムです。
令和3年度の「環境カフェふくしま」は、安積黎明高校化学部の8名に協力いただいて実施しました。
過去記事:対話で環境を学び合うプログラム「環境カフェふくしま」を安積黎明高校と行いました~オリエンテーション、第1回から第6回~

報告をきく高校生たちの写真

活動報告会全体の様子

発表~これからの10年で、脱炭素社会実現に向けて必要なことは?~

「環境カフェふくしま活動報告会」の発表テーマは、「これからの10年で、脱炭素社会実現に向けて必要なことは?~2030年までに私たちはなにを考えていけばよいのか~」です。
5月から2月までの対話プログラムを通じて、脱炭素社会実現のために何が必要なのか、これまでどんな取り組みが行われてきたのかなど、グループごとに学び、考えたことを発表してもらいました。

コロナ禍中で行われたプログラムということもあり、参加者の高校生に会うのは5カ月ぶりです。
また、発表者以外の出席者に会うのは、スタッフも初めてです。
福島拠点からも研究者たちが会場に集い、いよいよ報告会が始まります。
少しだけピリッとした雰囲気に、発表者の緊張感が伝わってきます。

成果報告をするのは、今年度の環境カフェふくしま参加者の生徒6名です。
A班は「カーシェアリングの普及」、B班は「脱炭素への意識・関心度」の観点から、調査データを交え、現状課題の指摘をし、提言として発表しました。

A班の発表者とスライド
B班の発表者とスライド

A班、B班、それぞれの発表の様子

発表を終えて

発表が終わると、会場にいる高校生、研究者から質問や感想を話してもらいました。

発表を聞いていた高校生からは、

「自分が知らなかった空き家の問題や駐車場として活用することによる解決法を提案していて興味深かったです。」
「認知度に注目するという観点が私にはなかった発想だったので面白かったです。」
「2つの班がそれぞれ違う観点から脱炭素について考えていたのが良かった。」

などの感想がありました。
参加者の熱のある発表が刺激となり、聴衆側も新しい視点を学んだり、考えたりする場となりました。

福島拠点の研究者からは、

「独自の視点で課題解決の提案をしていて面白かった」
「ライフサイクルアセスメントの観点で自動車の生産プロセスも含めたトータルの排出量を見積もる視点も大事」
「身近な人へのヒアリング調査なども行ってみると、より現場に近い声が集まるかもしれません。ぜひチャレンジしてみてください」

と言った激励のアドバイスもありました。

発表に対しコメントする研究者の写真

コメントする辻岳史主任研究員

福島拠点では、令和3年度の1年間を通じたプログラムと活動報告会の経験を活かし、令和4年度も継続して「環境カフェふくしま」に取り組んでいきます。
次回は「環境カフェふくしま」に協力いただいている安積黎明高校化学部顧問の益子章先生にも、プログラムについてお聞きしたいと思います。

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