化学物質詳細情報

テトラヒドロフラン
chem_id:TKV00069
CAS RN®:109-99-9
化学物質名(和名):テトラヒドロフラン
化学物質名(英名):TETRAHYDROFURAN
分子式:C4H8O
示性式:
SMILES:O(CCC1)C1
RTECS:LU5950000

構造式109-99-9

化学物質名(別名)

物質名称 出典
テトラヒドロフラン 環境分析法(その他) 他
tetrahydrofuran 環境分析法(化学物質分析法開発調査報告書) 他

物性情報

物性項目 最小値 最大値 単位 物性 出典
外観 無色の液体,透明,流動性 KIS-NET
臭気 エーテル臭 KIS-NET
分子量 72.1 72.12 KIS-NET
比重 0.88 0.88 KIS-NET
比重測定温度 20 20 deg C KIS-NET
蒸気密度 2.5 2.5 KIS-NET
溶解度記述 水に易溶 KIS-NET
蒸気圧 114 114 hPa KIS-NET
蒸気圧測定温度 15 15 deg C KIS-NET
オクタノール/水分配係数 0.46 0.46 KIS-NET
融点 -108.5 -108.5 deg C KIS-NET
沸点 64 66 deg C KIS-NET
粘度 0.53 0.53 KIS-NET
燃焼性 引火しやすい。火気厳禁。蒸気は空気より重く低所に滞留し爆発性混合ガスをつくる。熱、炎により発火。 KIS-NET
発火点 321 321 deg C KIS-NET
引火点 -17.2 -17.2 deg C KIS-NET
混合発火危険性程度 テトラヒドロアルミン酸リチウムとは条件により発火。酸化剤で発火。 KIS-NET
爆発範囲 1.8 1.8 % KIS-NET
生物分解性 良好 KIS-NET
その他の化学反応 空気中で爆発性の有機過酸化物を生成しやすい。カチオン開環重合性。水4.3%と共沸する。 KIS-NET
生物分解性 良分解性 METI_既存点検

用途

用途
中間物
接着剤
合成樹脂
その他有機化学製品
希釈剤
液晶

環境基準

該当データがありません。

法規制

※基準値等の詳細については、リスクタブの「基準値等」をご覧ください。
法令名称 物質リストの名称 通し番号 対象物質名 リンク
化審法(既存物質情報) Japanチャレンジ テトラヒドロフラン LINK
化審法(既存物質情報) 既存点検(分解性・蓄積性) テトラヒドロフラン LINK
大気汚染防止法 揮発性有機化合物(VOC) 第二条 第四項 テトラヒドロフラン LINK

注釈

(注1) 同一物質に限らず関連が深いと考えられる法規制を掲載しています。詳細な情報はリンク先をご参照ください。

(注2) 出典によって更新年月日が異なります。また、掲載している情報が必ずしも最新であるとは限りません。各出典の更新年月日については、「データ出典情報」をご参照ください。

対策等

該当データがありません。

PRTR制度

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環境中濃度測定値

年度 都道府県 調査名 媒体 検出地点数 調査地点数 検出検体数 調査検体数 最小値 最大値 算術平均 幾何平均 検出下限 単位 備考
1979 全国 化学物質と環境(環境省) 水質 0 11 0 33 (0.2~25) μg/L
1979 全国 化学物質と環境(環境省) 底質 0 11 0 33 (0.0001~0.033) μg/g-dry
1996 全国 化学物質と環境(環境省) 水質 0 11 0 33 (1) μg/L
1996 全国 化学物質と環境(環境省) 大気 2 6 5 18 180 810 (110) ng/m3
2006 全国 化学物質と環境(環境省) 大気 3 7 9 21 120 260 (60) ng/m3

注釈

複数の情報源のデータを一つの表で記載するために、情報源によって異なる定義の数値を記載していますのでご注意ください。

(注1) 有害大気汚染物質モニタリング:地点数、検体数、年平均値の最大、最小、平均を表しています。

 検出地点数:調査地点のうち月1回以上の頻度で1年間にわたって測定した地点数
 調査地点数:全調査地点数(年平均値として評価することができないデータも含めた数値)
 検出検体数:調査地点のうち月1回以上の頻度で1年間にわたって測定した地点における検体数
 調査検体数:全検体数(年平均値として評価することができないデータも含めた数値)

 最小値:調査地点のうち月1回以上の頻度で1年間にわたって測定した地点の年平均値の最小値
 最大値:調査地点のうち月1回以上の頻度で1年間にわたって測定した地点の年平均値の最大値
 算術平均:調査地点のうち月1回以上の頻度で1年間にわたって測定した地点の年平均値の算術平均(有効数字3桁目を四捨五入)

(注2) 要調査モニタリング:環境省「要調査項目等存在状況調査結果」に記載された物質(要調査対象物質以外の物質などを含む)について記載しました。値の算出方法に関しては データの出典ページをご参照ください。シアナミド(2014年度)、銅およびその化合物(2016年度)については、資料内で下限値が統一されておらず、分析結果の表内の値を採用しました。なお、算出前の値に関しては 環境省HPをご参照ください。

* : 2021年度の1,2,5,6,9,10-ヘキサブロモシクロドデカンについては、各異性体(α、β、γ、δ、ε)の集計値です。

(注3) 黒本調査:捕捉説明として、以下の記載を参照ください(環境省「化学物質と環境 化学物質環境調査結果概要一覧表」より)。

* : 同族体その他該当物質ごとの検出下限値の合計とした。

** : 水素化テルフェニルについては、標準物質(工業製品)のクロマトグラムにおいて得られた7本のピークのうち、分子量242のものをHT242a~HT242dとし、分子量236のものをHT236a~HT236cとして測定、定量した。

*** : ジエチルビフェニルについては、標準物質(工業製品)のクロマトグラムにおいて得られた4本のピークを DDa~DDdとして測定、定量した。

**** : ジベンジルトルエンについては、標準物質(工業製品)のクロマトグラムにおいて得られた7本のピークを DTa~DTgとして測定、定量した。

***** : HCH類の大気については、2003年度から2008年度に用いた大気試料採取装置の一部からHCH類が検出され、HCH類の測定に影響を及ぼすことが判明したが、個別のデータについて影響の有無を遡って判断することが困難であるため、この期間の全てのデータについて欠測扱いとすることとした。

****** : 2009年度のペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA)の調査は、直鎖のオクチル基を有するn-ペルフルオロオクタンスルホン酸及びn-ペルフルオロオクタン酸を分析対象としている。ただし、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)の生物では、オクチル基が分鎖状の異性体が含まれる可能性を否定できていない。

******* : 2017年度のアルキル基の炭素数が12以外のポリ(オキシエチレン)=アルキルエーテル類の調査は、組成を推計した工業製品を用いて環境試料中の濃度を定量した。このため、アルキル基の炭素数が12以外のポリ(オキシエチレン)=アルキルエーテル類の結果については、参考値として掲載している。

(注4) MOE_公共用水域測定結果:「水質汚濁に係る環境基準(人の健康の保護に関する環境基準)」を超えた地点数と調査地点数を下記のように掲載しています。なお、備考の基準値は当該年度における値です。

 検出地点数:基準を超えた地点数
 調査地点数:全調査地点数

農薬出荷量

該当データがありません。

製造輸入量

年度 出典 官報公示整理番号 官報公示整理番号の名称 範囲下限(または合計数量) 範囲上限(または合計数量)
2001 化学物質の製造・輸入量に関する実態調査 5-0053 テトラヒドロフラン 1000.00 10000.00

注釈

(注) 「範囲下限(または合計数量)」と「範囲上限(または合計数量)」が同じ値の場合には「合計数量」を表します。

急性・慢性試験値

該当データがありません。

発がん性評価

評価機関 評価結果 評価結果詳細 リンク
ACGIH A3 動物実験で発がん性が認められた物質

注釈

(注) 出典によって更新年月日が異なります。また、掲載している情報が必ずしも最新であるとは限りません。各出典の更新年月日については、「データ出典情報」をご参照ください。

生態毒性

該当データがありません。

リスク評価関連文書の情報源

年度 評価組織名 リスク評価書名 巻・号 判定 備考 リンク
1997 IPCS ICSC ICSC:0578 TETRAHYDROFURAN (Date of Peer Review: October 1997) - LINK
2005 ACGIH ACGIH 2005 -
2008 OECD HPV SIDS Chemicals -
2009 環境省 化学物質の環境リスク評価 7巻 生態リスク NO13 C LINK
2009 環境省 化学物質の環境リスク評価 7巻 健康リスク NO13 C LINK
2009 日本産業衛生学会 Recommendation of Occupational Exposure Limits 2008-2009 - LINK

分類と表示

該当データがありません。

基準値等

基準値名 規制名称 基準値等 リンク
大気汚染防止法 排出基準等(揮発性有機化合物(VOC)) テトラヒドロフラン 施設ごとの排出基準  400~60,000ppmC LINK

注釈

(注1) 同一物質に限らず関連が深いと考えられる基準値等を掲載しています。詳細な情報はリンク先をご参照ください。

(注2) 出典によって更新年月日が異なります。また、掲載している情報が必ずしも最新であるとは限りません。各出典の更新年月日については、「データ出典情報」をご参照ください。

許容濃度等

種類 単位 評価機関名
TLV 50.00 ppm ACGIH
OEL 200 ppm 日本産業衛生学会
OEL 590 mg/m3 日本産業衛生学会

注釈

(注) 出典によって更新年月日が異なります。また、掲載している情報が必ずしも最新であるとは限りません。各出典の更新年月日については、「データ出典情報」をご参照ください。

PRTR対象物質選定基準

該当データがありません。

事故事例

発生日 発生時刻 事故の名称 被害金額(万円) 死亡者数 負傷者数 事故の概要 事故の原因 場所
1990-06-05 11:33:00 テトラヒドロフラン・ジメトキシエタン爆発火災 2 血圧降下剤の原料となるアミン系医薬品を製造している工場で,約2m3の化学反応器が爆発火災を発生した。 反応器に入った中間体に-5℃に冷却したテトラヒドロフランとジメトキシエタンを添加する際,中間体の温度を50℃まで冷却しておく必要があるのに,55℃の時に冷却剤を入れたため,化学反応を起こして爆発したものと推定される。 大阪府堺市
1970-11-29 01:10:00 ポリブタジエン製造施設初期重合室 5050 1 初期重合反応槽の洗浄作業で反応槽内にある洗浄液(少量の微粒金属ナトリウムを含むテトラヒドロフラン)を加水分解槽へ抜取る際,誤操作によりサンプリング用のバルブを開いたため洗浄液が床面へ流出し,流出した洗浄液が発火し,洗浄液300Lが火災となった。 洗浄液(テトラヒドロフラン)中の微粒金属Naが水分で発火し,洗浄液に引火した。 千葉コンビナート
1984-05-10 11:19:00 装置定期修理前洗浄液漏洩による火災 50 0 0 本装置の定期修理に入る前準備として,5月8日より初期重合槽内にテトラヒドロフランを張込み,ブタジエンポリマー,金属ナトリウムの洗浄作業を実施していた。当日は二度目の重合槽攪拌洗浄及び加水分解作業を終了し,加水分解槽へ送液ポンプを起動し送液を実施したところ圧力指示計の警報ブザーが作動した。直ちに送液ポンプを停止、吐出、吸入バルブを閉めた。その直後2階床面より出火し,火災となった。 初期重合槽内洗浄後,ポリマー等の異物が配管内に付着し閉そくしているのを点検せずに,ポンプを起動し洗浄液を送液したため管内の圧力が上昇し,施工時に取付け不良で若干亀裂していたフランジガスケットが破断し漏洩した金属ナトリウムの反応発熱により,テトラヒドロフランに着火し火災となった。 千葉県市原市
1984-06-12 12:00:00 運搬中のドラム缶(コンテナ内)の危険物漏洩 5 0 0 運輸会社所有の大型被索引車に積載の20フィートドライコンテナに収納されていた第4類第1石油類(テトラヒドロフラン,ドラム缶76本約13200L)が午前10時30分頃中央区港島より出発し,埠頭広場で昼食のため当該車両を留置し,12時頃出発しようとしたところ,コンテナ前方下部より,危険物の漏油を発見したもの。 コンテナに積込む際に,他のドラム缶と接触させたか,またはフォークリフトのつめに当たり亀裂を生じさせたものと推定される。 兵庫県神戸市
1985-07-02 10:00:00 仮貯蔵中の危険物漏洩 10 0 0 S60年6月28日MIKHAILSVETLOV号よりコンテナー内収容貨物として荷揚げし,仮貯蔵した。荷揚後,雨天がつづいた。7月2日10時ごろ,巡回中に危険物の漏洩によると思われる臭気がしたので消防署に通報。 輸送中の貨物の動揺により,コンテナのエッジで1本のドラム缶の底に小さな穴(直径1?2mm)ものと思料する。 神戸市
1986-04-17 18:49:00 開放型移動槽に危険物を仕込中に発生した火災 164 0 1 合成皮革用塗料を製造する製造所において,従業員(27才,無資格者)が,鉄製の開放型移動槽(容量300L)に半製品の合成樹脂エナメル塗料(3石)を31.9kg入れ,開放型移動槽を合秤の上に乗せ,溶剤小口取出口のホーム(ワイヤー入りのビニール製)を槽内に入れ,溶剤小口取出口からアノン(2石)27.5kgDMF(2石)6.4kgを仕込み,更にTHF(1石)を91.3kgを仕込中に飛火,火災となった。 仕込中の溶剤が配管内を流動する際に静電気が発生し,移動槽内の危険物に帯電し,作業中の小口取出しのホースノズル先端の金属部で静電気スパークを発し,THFベーパーに引火し火災になった。埋込みハカリから移動槽までの導線(移動槽用アース)の、移動槽側先端のクリップが何らかの原因で外れたか,埋込みハカリ側の接触が悪かったために静電気が蓄積されたものと推定される。 東京都北区

事故時処理内容

事故時処理内容
水噴霧
避難を検討する
希釈する

環境分析法

年度 出典id 分析法id 出典名 分析法名 媒体名
1978 10 504 化学物質環境調査分析方法報告書(昭和53年度) ◯テトラヒドロフランの分析法 水、底質
1995 98 10734 Methods for the Determination of Organic Compounds in Drinking Water, Supplement III (EPA 600/R-95-131) EPA524.2: VOCs (MTBE) - Purge & Trap / Cap column GC/MS
1996 33 1034 化学物質分析法開発調査報告書(平成7年度) ●テトラヒドロフラン;フルフラールの分析法
1996 33 1042 化学物質分析法開発調査報告書(平成7年度) ◯テトラヒドロフランの分析法 大気
2006 111 11421 化学物質分析法開発調査報告書(平成18年度)【修正追記版】 ◯1-ブタノール;テトラヒドロフランの分析法 大気

注釈

(注) 分析法名の先頭の記号は報告書に記載された分析方法の適用の可否を次のように整理した結果です。
  ◯:検討された対象物質・媒体の全てについて使用に適している。
  ●:検討された対象物質・媒体の一部に関してのみ使用に適している。
  ▲:検討された対象物質・媒体の全てに関して使用が困難である。

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