エコチル調査の継続(13歳以降の調査)についてのお知らせ(その2)

参加者のみなさまへ

いつもエコチル調査にご協力下さいましてありがとうございます。 エコチル調査の継続(13歳以降の調査)につきましては、当ホームページ内、4月19日付「エコチル調査の継続(13歳以降の調査)についてのお知らせ」にて、本年度中に、13歳以降の調査の計画を作成し、定まりましたら改めてご案内する旨を、掲載いたしました。この「お知らせ(その2)」では、調査の計画の策定状況等についてお知らせいたします。

1. 調査の計画の策定状況と今後の予定

環境省では、健康と環境に関する疫学調査検討会報告書を踏まえて、13歳以降にどのような調査を行うことが適切なのか、計画を策定しているところです。まずはお子さんが13歳に達してから18歳になるまでの5年間の調査(予定)について、保護者の皆様に参加のお伺いをさせていただく手続きを検討しております。詳細につきましては、計画が確定した際に改めてご案内させていただきます。  また、調査の計画書とその説明書の完成までに、さらにわかりやすい資料を作成し、お知らせさせていただく予定です。引き続きエコチル調査へご協力下さいますようお願い申し上げます。

2. エコチル調査の今後の展開への期待

エコチル調査はこれまでに多くの成果発表がなされ、診療ガイドラインの科学的根拠として活用される等、社会貢献に寄与しています。世界的にみても貴重な調査であり、今後もエコチル調査から多くの成果が発表されることが期待されています。

〇エコチル調査の継続の必要性

エコチル調査では化学物質と子どもの健康との関連を明らかにするために、子どもがお母さんのお腹にいるときから成長するまで、長期的に健康の状態を調べる調査を行ってきました(このような調査研究を出生コホート研究といいます)。これまでは12歳までの調査として進めて参りましたが、環境省検討会においては、思春期以降に発生する病気や、参加者のお子さんの次の世代の子どもへの健康影響等の解明も重要な課題として挙げられ、13歳以降についても調査の継続が望まれました。

〇エコチル調査の国際的な重要性

エコチル調査は、国内のみならず、世界的にみても貴重な調査です。エコチル調査のような出生コホート研究は世界各地でも行われています。しかし、参加者が10 万人規模の調査研究を行っているのは、日本とデンマークとノルウェーだけであり、化学物質との関係を調べている調査研究は日本独自のもので、参加者ほぼ全ての方の生体試料(血液や尿など)を採取しているということも他に類を見ません。

〇エコチル調査の成果発表と社会還元

エコチル調査は大規模な国家プロジェクトです。長期的に調査を行うことで、私たち日本人の重要な情報が蓄積されていきます。その情報は、医学的な知見となるだけではなく、社会のなかで、どのような影響をもつのかということにも関係し、政府が様々な計画や目標を立てる上での基礎・土台となります。これまでに医学の基礎となる英文原著論文は、4月末現在で266編公表することができました。今後も引き続き研究成果の発表を進めていくとともに、化学物質対策の基礎資料とすることや、診療ガイドラインへの貢献など、社会貢献に努めて参ります。

〇SDGsアクションプラン2022

エコチル調査は、環境中の化学物質と子どもの健康との関連を明らかにしていくものですので、調査で得られた情報は、持続可能でよりよい世界を目指す国際目標であるSDGs(持続可能な開発目標)にも貢献できます(SDGsの17の目標のうち、目標3「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」や、目標12「持続可能な消費生産形態を確保する」に貢献できると考えています)。