10月25日(土)、茨城県つくば市にある国立環境研究所が1日だけの「探究フィールド」に変わります。 研究者と一緒に実験や観察をしたり、巨大な装置を間近で見たり——普段は入れない研究現場を体験できる特別な日。
本記事では、子どもから大人まで、科学の面白さと環境研究の最前線を楽しめる「国環研一般公開2025」の見どころを、前編・後編に分けてご紹介します。
お気に入りの企画をぜひ見つけてくださいね!
目次
・体験|実験室潜入!〜地球環境モニタリング〜
・中高生向け体験|進路のヒントに!科学者とめぐる“環境研究”界隈
・体験|藻類(そうるい)の世界をのぞいてみよう
・トークイベント|研究者に聞いてみよう!『ココが知りたい地球温暖化』解説&トーク
・展示|ドキュメンタリー映画上映「ここにいる、生きている。~消えゆく海藻の森に導かれて~」
・開催情報
飛行機に搭載した装置で大気を採取し、CO2などを観測する最前線の研究。その“本物の装置”を目の前で体験できるのが「実験室潜入!〜地球環境モニタリング〜」です。
この観測は、国立環境研究所や日本航空など5機関が連携する「CONTRAILプロジェクト」 の一環。ヨーロッパや北米、アジア各地を飛びながら、30年以上にわたりCO2をはじめとする温室効果ガスのデータを集めています。
一般公開では、CO2測定のデモや装置の仕組みを体験でき、地球温暖化研究の現場を実感できます。保護者の方は中継映像で体験の様子をご覧いただけます。
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「環境研究って、どんなことをしているの?」
実際に研究に取り組む施設の見学や、実験、研究者の話題提供などを通して、“研究の現場”を体験する特別企画です。
深く学ぶコース(午前)
化学物質による人の健康と生物への影響について、3チームのいずれかに参加し、実験や解説から専門的にじっくり体験します。
・水生生物毒性試験:ミジンコやメダカへの影響を探る
・化学分析・モデル計算:分析機器とシミュレーションで化学物質の動きを理解
・空気の安全調査:目に見えない化学物質を“見える化”するとは?
広く学ぶコース(午後)
国環研の多様な研究分野の中から、化学物質、大気汚染、気候変動の3つの分野について幅広く学びます。
水生生物の毒性試験の様子や大気汚染を調べる大型施設など環境研究の現場を見学し、地球温暖化やカーボンニュートラルについてグループワークで考えを深めます。
どのコースも専門性が高く充実した内容が最大の魅力。体験を終えるころには、「環境研究ってこういうことか!」を実感できるはず。
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藻類の世界を、目で見て、臭いをかいで、顕微鏡で観察。五感を使ったユニークな体験ができます。 特に注目は、走査型電子顕微鏡の操作体験。藻類のミクロの姿を自分で操作して観察することができます(小学生低学年以下は大人と一緒にご参加ください)。
藻類とは
光合成を行う生物のうち陸上植物を除いたグループ。シアノバクテリアからコンブ・ワカメまで幅広く、多様性の宝庫です。
国環研の微生物系統保存施設は、国内唯一の国際寄託当局として多くの藻類を保存し、世界中の研究に活用されています。
研究者と一緒に、藻類の多様で奥深い姿をのぞいてみませんか?美しい世界に没入できること、間違いなし。
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地球温暖化の「なぜ?」にズバリお答えする特別企画。
人気コンテンツ『ココが知りたい地球温暖化』対策編から3問を取り上げ、小学生高学年にもわかる解説でお届けします。
取り上げるテーマ
・家庭でできる効果的な脱炭素対策は?(金森有子主幹研究員)
・肉食をやめて菜食にすると環境に良いの?(土屋一彬主任研究員)
・石油業界で働く友人が失業するのは仕方ない?(久保田泉主幹研究員)
トークの最後には、研究者に自由に質問できる時間も。研究者と話しながら、理解を深めることができます。
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ドキュメンタリー映画「ここにいる、生きている。~消えゆく海藻の森に導かれて~」は、監督の⾧谷川友美さんが全国の海岸をめぐり、子どもや漁師、研究者との対話を重ねて制作した作品です。気候変動が暮らしに影響を与えている現実がまざまざと伝わる映像は、2025年大阪・関西万博でもハイライト版が上映されました。国環研の研究者も作品内に登場します。
今回は特別に、約30分のハイライト版を上映。ソファ席でくつろぎながら、海の変化に目を向けてみませんか。
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