
包括環境リスク研究プログラムでは...
われわれは、生活を豊かで快適なものにするために、数十万以上のさまざまな化学物質を使っていて、これらの一部はいずれ環境中に出て、ヒトや生態系に悪い影響をおよぼすおそれがあります。ただ、このような悪い影響の中身としてどんな作用がどんな生き物に対して起こるのかや、どんな物質がどこにどの程度残っているのかなど、私たちがこれまでわかっていたことはまだ氷山の一角でしかありません。この研究プログラムでは、この氷山の見えている部分(既知の汚染物質: Zone 1)よりも、むしろ水の中に隠された見えない部分(未知・未解明の影響:Zone 2、未知・未規制の物質:Zone 3)を把握するため、5つの方向(研究プロジェクト: PJ)からこの難しい問題に取り組んでいます。
包括環境リスク研究プログラムの5つのプロジェクト
- PJ1 健康有害性プロジェクト
実環境および脆弱性を考慮した健康影響の有害性評価に関する研究 - PJ2 生態系有害性プロジェクト
脆弱性を考慮した生態系影響の有害性評価と要因解析に関する研究 - PJ3 曝露計測プロジェクト
全懸念化学物質の多重・複合曝露の把握を目指した包括的計測手法の開発に関する研究 - PJ4 環境動態プロジェクト
全懸念化学物質の環境動態の把握を目指した数理モデル的手法の開発に関する研究 - PJ5 包括リスク指標プロジェクト
包括健康リスク指標と包括生態リスク指標の開発に関する研究

包括環境リスク研究プログラム
化学物質等に起因する健康・⽣態リスクの包括的評価・管理研究プログラム
化学物質等の包括的なリスク評価・管理の推進に係る研究に取り組みます。具体的には、⼈間活動に起因する化学物質の⼤部分を評価・管理するため、対象物質を製造・使⽤されている全懸念化学物質に広げることを⽬指すとともに、脆弱な集団や⽣活史の考慮、包括的計測・数理モデル群の⾼度化等により、これまで定量化が困難であった影響・リスクの評価を⾏います。
これらの取組により、包括的な健康リスク指標及び⽣態リスク指標の構築に貢献するとともに、リスク評価に関する事業等を通じて環境省等が実施する化学物質等の汚染要因の管理⽅策の策定・改正に貢献します。