地球上の生物は水の中から生まれ、現在
(げんざい)
も水なしでは生きていけません。しかも、水は地球上を循環
(じゅんかん)
し、大気や土壌
(どじょう)
など他の環境
(かんきょう)
とも深く関係してます。豊かな環境に支えられてはじめて、人間の社会は未来へと発展
(はってん)
することができます。そのためのカギをにぎっているのが
『流域圏
(りゅういきけん)
』の環境
です。山から流れ出し海へといたる大きな川を中心とした『流域圏』の環境が、どれだけ豊かであるかが大切なのです。単純
(たんじゅん)
に人間が水を汚さないというだけでなく、地球規模
(きぼ)
で水をとりまく環境を考えることが必要です。
干潟
(ひがた)
の役割(やくわり)について教えてください
水の流れや循環
(じゅんかん)
がくずれるとどうなるの?
水循環
(じゅんかん)
と水資源の大切さを教えてください
生き物から環境を調べる方法がありますか?
東アジア−太平洋地域
(ちいき)
の流域圏の環境を守る研究所の取り組み
国立環境研究所と中国科学院地理科学資源
(ちゅうごくかがくいんちりかがくしげん)
研究所を中心として、シンガポール、オーストラリアをふくめた4ヶ国の研究機関
(きかん)
は、アジア−太平洋全地域の陸域の状態
(りくいきのじょうたい)
、
水循環
(みずじゅんかん)
・自然災害
(しぜんさいがい)
・農業生産量などの変化を調べるため、人工衛星による継続観測
(けいぞくかんそく)
を開始しました。
中国の長江
(ちょうこう)
や黄河
(こうが)
流域では、このところ急激
(きゅうげき)
な農業開発
(のうぎょうかいはつ)
や工業化と、一極集中
(いっきょくしゅうちゅう)
する大規模都市化とともに、異常気象
(いじょうきしょう)
による洪水
(こうずい)
や干
(かん)
ばつ、慢性的
(まんせいてき)
な水不足などが問題となっています。研究所では、この地域が持続的
(じぞくてき)
に発展できるように、 中国が取っている環境政策
(せいさく)
の効果
(こうか)
や、地下水を利用した農業問題をコンピュータを使って評価
(ひょうか)
したり、解決
(かいけつ)
する研究を行っています。
長江周辺の環境
長江流域を中心とする大陸の開発により、東シナ海へ流入
(りゅうにゅう)
する砂、栄養塩類
(えいようえんるい)
富栄養化
(ふえいようか)
をひき起こす物質
(ぶっしつ)
)
および有害化学物質などが大きく変化し、東シナ海の生態系などに大きな影響
(えいきょう)
をあた
えることが心配されています。そのため2001年より、長江河口域から
東シナ海の海洋環境調査
(ちょうさ)
を実施
(じっし)
しています。
森林伐採
(しんりんばっさい)
や農地化、住宅地や工場の増加
(ぞうか)
などの環境変化によって、長江を流れる水や物質がどう変化するのかを観察
(かんさつ)
し、流域圏の環境を診断
(しんだん)
する方法を確立
(かくりつ)
しようとしています。
浅い海は生物を育
(はぐく)
み、水を浄化
(じょうか)
する大切な役割
(やくわり)
をはたします。東京湾
(とうきょうわん)
の水質や生物を調査してその仕組みを探
(さぐ)
り、環境
(かんきょう)
をよくするための技術を開発しています。
浅海域での生態系調査の様子
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