廃棄物と最終処分場

廃棄物とは?

廃棄物の定義

国の通知等(例えば、 環循規発第2104141号 )によると、廃棄物とは「占有者が自ら利用し、又は他人に有償で譲渡することができないために不要となった物」をいいます。その物が廃棄物に該当するか否かは、「その物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無及び占有者の意志等を総合的に勘案して判断すべき」とされています。


これは「総合判断説」という考え方で、廃棄物該当性の判断における基本となっています。廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)において「廃棄物」とは、「ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であって、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによって汚染された物を除く。)」と定められています。廃棄物は「産業廃棄物」と「一般廃棄物」に大別されます。


産業廃棄物と一般廃棄物

廃棄物処理法では、事業活動に伴って発生する廃棄物のうち、表1に示す20種類の廃棄物が「産業廃棄物」として定められています。産業廃棄物以外の廃棄物は「一般廃棄物」となります。産業廃棄物には、「あらゆる事業活動に伴うもの」と「特定の事業活動に伴うもの」という二つの区分があります。表1に示す「1)燃え殻」~「12)ばいじん」の12種類の廃棄物は、事業活動に伴って排出されるもの全てが産業廃棄物となります。


一方で、「13)紙くず」~「19)動物の死体」の7種類の廃棄物については、特定の事業活動に該当した場合のみ産業廃棄物として扱われます。 例えば製紙工場から排出される紙くずは産業廃棄物ですが、事務所(オフィス)から排出される紙くずは一般廃棄物となります。このように、事業活動に伴って排出される廃棄物であっても一般廃棄物に該当する場合があります。


このような一般廃棄物は、法律で定められた用語ではありませんが、家庭から排出される一般廃棄物(家庭系一般廃棄物)と区別するために事業系一般廃棄物と呼ばれます。 産業廃棄物と一般廃棄物とでは、処理責任の所在が異なります。家庭系一般廃棄物の場合、市町村に処理責任があります。ごみを出す人は、市町村が定めるごみ出し・分別のルールを守ることで、廃棄物の適正処理に協力する事が求められています。


事業系一般廃棄物についても市町村が定めるルールに従うことになりますが、家庭系一般廃棄物と一緒にごみ集積所に出すことは禁止されている場合がほとんどです。そのため、一般廃棄物処理施設である清掃工場などに自ら持ち込むか、許可を受けた収集運搬業者に委託する必要があります。産業廃棄物の場合、廃棄物を排出する事業者に処理責任があります。従って、事業者が自ら処理を行うか、許可を有する産業廃棄物処理業者へ委託する必要があります。


表1 産業廃棄物の種類と具体例

特別管理廃棄物

特別管理廃棄物とは、爆発性、毒性、感染性その他の人の健康または生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有する廃棄物です。特別管理廃棄物は通常の廃棄物より厳しい規制と処理基準が設けられています。特別管理廃棄物の種類や具体例をまとめたものが表2になります。


表1 産業廃棄物の種類と具体例