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第41回全国環境研究所交流シンポジウム 開催報告

その他

2026/03/125分で読めます

#シンポジウム

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皆さんは「地方環境研究所」という組織をご存知でしょうか?昭和40年代以降、公害問題が深刻化した時期に、「地域の環境を科学的に把握し、行政判断を支える機関が必要」という理由で、都道府県や政令指定都市などに設置された“地域の環境を守るための科学的中核機関”です。
国立環境研究所では、「環境研究に関する研究発表、意見交換を通じて地方環境研究所と国立環境研究所の研究者間の交流を図り、共同研究等の新たな展開に役立てると共に、環境研究の一層の推進を図る」ことを目的に、「全国環境研究所交流シンポジウム」を昭和61年から毎年第4四半期に開催しています。

第41回目となる今回は、令和8年2月19日及び20日に、会場として国立環境研究所大山記念ホールの他、オンライン(Zoomウェビナー)を併用して開催されました。会場参加者は延べ68名、オンラインではアカウント数で222名の方が参加されました。オンラインということで、1アカウントから複数人の視聴があった可能性もあり、それを勘案すると更に多くの方々が視聴されたかと思われます。

木本理事長による開会挨拶でシンポジウムが開始され、その後には国立環境研究所 松神主幹研究員による特別講演が行われました。この講演は、昨年度の地方環境研究所と国立環境研究所との協力に関する検討会において、「PFASの排出及び調査・分析手法に関する情報の整理・提供」についての要望をいただいたことを踏まえて企画したものでした。PFASは、メディア等でも耳にする機会が増えており、研究者だけでなく、一般の方々にも関心の高いテーマでしたので、大変ご好評いただけたのではないかと思っております。

特別講演のあとは、4つのセクションにおいて、2日間に渡り計12件の一般講演が行われました。講演題目と発表者については下記をご覧ください。
質疑については会場とオンラインの双方から受け付け、限られた時間内で活発な議論がなされ、それぞれの地域における環境問題に対する各地方環境研究所の取り組みについて、多くの知見が共有されました。

最後に三枝理事の閉会挨拶をもって終了いたしました。

事後アンケートによると、地方環境研究所の研究者のほか、一般の方々も数多く参加されており、内容についてもご満足いただけたようでした。特に、オンラインを併用した開催方式について、開催地まで行かずとも気軽に参加できるのでとてもよかったというご意見を多数いただきましたので、今後も続けていきたいと考えています。

また、交流シンポジウムの前には会場参加者向けの所内見学会を実施して、マイクロプラスチックに関する実験施設を見学いただきました。「大変良かったが、もっと時間を取っていただき複数の施設を見学できると尚良かった」というご要望をいただきましたので、次回はさらに充実した内容にして会場参加者にも満足していただけるよう努めてまいります。

写真1
写真 所内見学会の様子

地方環境研究所と国立環境研究所の研究者が一堂に会し、地域環境研究の最新動向を共有し議論する貴重な機会となりましたことを報告すると共に、ご講演、ご参加いただいた皆様や、企画・運営にご協力いただいた方々に深く感謝申し上げます。

写真2
写真 (左) 松神主幹研究員による特別講演、(右)研究発表の様子

《第41回全国環境研究所交流シンポジウム講演題目と発表者》*敬称略

【2月19日(木)】

特別講演
(1) 「廃棄物処理からの有機フッ素化合物(PFAS)排出量把握に関する研究」
〇松神 秀徳(国立環境研究所)

研究発表<PFAS・廃棄物処理> 座長:松神 秀徳(国立環境研究所)
(2) 「最終処分場浸出水中PFASの活性炭処理による除去特性に関する実証的研究」
〇渡邉 育弥(大阪府立環境農林水産総合研究所)
(3) 「北海道PCB廃棄物処理事業における環境モニタリングの成果と将来への示唆」
〇姉崎 克典(北海道立総合研究機構 エネルギー・環境・地質研究所)

研究発表<気候変動適応> 座長:真砂 佳史(国立環境研究所)
(4) 「群馬県における暑さ指数と熱中症救急搬送者数の解析」
〇熊谷 貴美代(群馬県衛生環境研究所)
(5) 「北海道の熱中症搬送者と対策、および暑さの将来変化について」
〇大屋 祐太(北海道立総合研究機構 エネルギー・環境・地質研究所)
(6) 「WBGT機器の比較観測結果」
〇大和 広明(埼玉県環境科学国際センター)
(7) 「猪苗代湖におけるカビ臭物質の発生予測」
〇落合 孝浩、木村 和貴(郡山市環境部環境保全センター)
(8) 「日本全国の暑熱環境予測に基づく学校の屋外活動への影響評価」
〇大山 剛弘(国立環境研究所)

【2月20日(金)】

研究発表<大気汚染・化学物質> 座長:菅田 誠治(国立環境研究所)
(9) 「化学輸送モデルにAI技術を取り入れた新たな大気汚染予測システムの開発と実用化」
〇山村 由貴(福岡県保健環境研究所)
(10) 「自動同定定量システム(AIQS-GC)を用いた北九州市内公共用水域の平常時のスクリーニング分析について」
〇陣矢 大助(北九州市保健環境研究所)

研究発表<環境DNA・水環境・生態系> 座長:熊谷 直喜(国立環境研究所)
(11) 「脊椎動物ユニバーサルプライマーの選定と課題-国Ⅱ型研究成果報告-」
〇長谷部 勇太(神奈川県環境科学センター)
(12) 「赤土流入量の異なる生息環境に移植したサンゴの成長・生残について」
〇比嘉 彩也香(沖縄県衛生環境研究所)
(13) 「web市民参加調査によるサンゴ白化の可視化とモデリング解析」
〇熊谷 直喜(国立環境研究所)

詳しい内容は、予稿集全文(下記のURL)でご覧になれます。
https://tenbou.nies.go.jp/science/institute/region/joint_zkksympo2025.pdf

   
国立研究開発法人国立環境研究所
企画部研究推進室
※執筆当時

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