先導研究プログラム
 環境都市システム研究プログラム

【プロジェクト1】
都市の環境技術・施策システムの評価と社会実証プロセスの構築

 この研究プログラムは、社会環境システム研究センターと協力して実施する先導研究プログラムです。都市が有する様々な環境問題と向き合い、汚濁物質や二酸化炭素排出の少ない低炭素、資源循環、および環境調和型の都市の形成に向けての研究を推進することを目的としています。より詳しい内容については、社会環境システム研究センターのホームページをご覧下さい。
 地域環境研究センターは、この研究プログラムでアジア地域の都市が抱える共通の問題である「水質汚濁」に注目して、そのほかの環境問題とともにそれらを改善するコベネフィット型の水環境技術に関する研究を進めていきます。

1. タイにおける都市排水の適地処理技術に関するパイロットスケール実証試験
 中国やタイなどのアジア地域の多くの都市の中心地域では、大規模な下水道整備が進みつつありますが、郊外地域では都市化の進行に伴い各種産業や日常生活から排出される排水の処理が追いついていないのが現状です。また、建設及び運転管理コストの安い(省エネルギー)処理技術が求められています。このような技術を「適地処理技術」と呼びますが、タイでは下記に示した処理技術の実証試験を現地の行政機関(バンコク都)および大学(キングモンクット工科大)と共同して行います。
 この技術は、処理水質を十分に確保しつつ、運転管理コストを安くする事(使用電力・余剰汚泥の大幅削減)が可能で、熟練した運転管理技術も必要ないことから小規模に分散した処理施設ばかりでなく、都市下水処理として一般的な活性汚泥法の代替となる可能性を有する技術として期待されます。また、現地においては、この技術の将来的な普及を目指して関連するデータベース等の構築も開始します。  
適地処理技術に関する実証実験

2. 中国の農村地域における小規模生活排水処理技術に関する協力
 環境省では、日中水環境パートナーシップ事業の一環として、急激に都市化が進む中国農村地域への小規模生活排水処理技術の普及に関する協力を行っています。日本でも過去に都市化の進行により水質汚濁が進み、このような事態に対応すべく小規模処理技術が発展してきた歴史があります。我々はこの中国での事業で、このような歴史を伝えると共に、日本が蓄積してきた技術により、現地で処理施設をモデル的に設置して、その適用性を調査しています(関連情報:研究最前線 -第12回- 中国の水環境の現状と日本からの技術協力支援)。今後はこのような取り組みを通して、アジア地域を対象とした処理技術の体系化を進めていきます。

 このように環境都市システム研究プログラムでは、深刻化するアジア地域における都市の水質汚濁問題に注目して、日本発の処理技術の現地への適用を検討すると共に、将来的には環境負荷の小さな都市の構築を目指した、都市と産業あるいは都市と農村の連携に必要な処理技術の研究開発を進めていきます。

 
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