| 重点研究プログラム |
| 東アジア広域環境研究プログラム |
【プロジェクト1】 観測とモデルの統合によるマルチスケール大気汚染の解明と評価 経済発展が著しい東アジアではオゾン・エアロゾルの前駆物質排出量が急増し、地域規模で大気汚染が深刻化している上、半球規模で大気質が変化しています。このような状況下、日本においてもオゾンの環境基準見直しの機運が高まるとともに、PM2.5の環境基準が新しく制定されました。しかしながら、オゾンやPM2.5に関する大気汚染には、国外からの越境汚染に加えて国内における生成も影響するため定量的理解が困難です。そこで本研究では、地上・船舶・航空機による野外観測、宇宙からの衛星観測、全球・領域化学輸送モデルを統合的に使用して、半球/東アジア/日本域のマルチスケール大気汚染の実態と発生機構を解明するとともに、将来予測と対策シナリオ・影響の評価を行います。これにより、東アジア地域における広域大気環境管理のための国際的枠組みの策定に寄与することを目指します。 本プロジェクトでは、以下の3つのサブテーマにより研究を進めています。 1. 大陸規模モニタリングによる半球規模大気汚染の時空間変動の解明 地上や船舶等で観測されるオゾン・エアロゾルについて、バックグラウンド大気中の長期変化・年々変動を検出するとともに、欧州や北米と比較研究を行ってアジアにおけるトレンドを半球規模の視点で評価します。また、欧州からアジアへの大陸間長距離輸送イベントを同定し、気象的メカニズムを解析してアジアの大気質に及ぼす寄与を定量化するとともに、衛星データを活用してユーラシア大陸と周辺域における人為・森林火災起源の大気汚染物質発生量の種類・分布・強度の評価を行います。 2. アジア地域における包括的観測による日本への越境大気汚染の実態解明 福江島や福岡市、辺戸岬等における地上観測拠点で包括的に観測されるガス状・粒子状の大気汚染物質の時空間変動を越境汚染の観点から解析します。また、東アジアにおけるライダーネットワークによるエアロゾルの連続観測データを用いて越境汚染の鉛直構造を解析します。これらの地域規模観測を通じて、東アジアが日本に及ぼす越境汚染の規模と経年変化を把握するとともに、その気象学的・化学的メカニズムを明らかにします。 3. モデルシミュレーションによる汚染機構の解明と影響・対策評価 全球・領域化学輸送モデルや排出インベントリーを使用して、半球規模〜東アジア〜日本の都市を含むマルチスケールで大気汚染の規模や変化を解析するとともに、排出量逆推計モデルを使用して日本国内を含むアジアにおける排出インベントリーの改良・更新を行います。また、将来における大気汚染の予測と対策シナリオの評価を行うとともに、人の健康や生態系への影響評価を、特にオゾンによる植物影響およびPM2.5による健康影響に注目して行います。 |
![]() 本プロジェクトのオーバービューと各サブテーマの役割・連携 |
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