化学物質の小児・将来世代に与える健康影響評価研究プロジェクト
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近年、アレルギー疾患や生活習慣病、精神神経発達障害の患者数が増加しており、環境中の化学物質による影響が懸念されています。本プロジェクトでは、化学物質が小児・将来世代に与える健康影響の包括的評価とメカニズムの解明、新たな評価手法の開発を目的とし、動物モデルや細胞を用いて、生体高次機能(免疫系、代謝・内分泌系、脳神経系等)に与える影響と生殖細胞を介する多世代・継世代影響に関する以下の研究に取り組んでいます。1.実環境での曝露を勘案した胎児期から小児期における化学物質の低用量曝露が、アレルギー疾患や生活習慣病に与える影響評価および生体システムの相互作用や化学物質の体内動態等の解析から影響メカニズムの解明を目指します。2.動物モデルを用いて化学物質曝露が脳の発達に及ぼす影響の評価法を開発します。また、化学物質の体内動態と精神神経発達障害発症との因果モデルや、細胞を使った代替法の構築を目指します。3.生殖細胞のゲノム機能解析法を構築し、生殖細胞のエピジェネティック変化等に着目した化学物質曝露による多世代・継世代影響とそのメカニズムの解明を目指します。以上により、健康リスク評価に資する知見と評価体系を提案し、小児・将来世代の健康保全につながる化学物質管理に貢献します。