社会・生態系システムの統合化による自然資本・生態系サービスの予測評価

戦略的研究開発領域(Ⅰ)S-15 (2016-2020年度)

EN

本システムについて

研究プロジェクト「社会・生態システムの統合化による自然資本・生態系サービスの予測評価」(PANCES)は、我が国を中心に、人口動態の変化や土地利用変化等による自然資本や生態系サービスの自然的・社会経済的価値の将来予測・評価が可能となるような社会・生態システムの統合化モデルを構築することを目的として、2016年度から10以上の研究機関、100名以上の研究者の参画のもと実施されてきました。同プロジェクトでは、いくつかの重要な指標を用いた自然資本・生態系サービスの自然的・社会経済的価値の2050年までの予測評価を行い、シナリオ分析に基づき複数の政策オプションを明らかにすることも重要な研究課題になっています。

一方、生物多様性の愛知目標は2020年が期限となっており、現在、2021年から2030年までの新たな後継目標(ポスト2020枠組み)に向けた議論が国際的に本格化しています。我が国でもこのような国際的な動向を踏まえた生物多様性国家戦略の見直しに向けた検討が進みつつあります。

このような中、PANCES研究プロジェクトでは、今後の生物多様性地域戦略の見直しや気候変動適応計画の実施等に寄与し、自然共生社会実現のための土地利用・国土利用のあり方の検討に有用な知見を提供するため、自然資本である生物多様性と生態系サービスに関する政策オプション群を構築しました。

陸域89、海域64、合計153の政策オプションを作成し、これを「PANCES政策オプション」としています。各オプションは、対象領域(陸域、海域)及び対象とする主要な生態系サービス分野(食料等の供給サービス、炭素固定等の調整サービス、レクリエーション等の文化的サービス及び複合分野)で区分されているほか、生物多様性分野の研究者による優先度評価が行われており、さらにポスト2020枠組みやSDGsとの関係性が整理されています。本システムでは、これらの区分や関係性から政策オプションを検索・表示できます。

また、各政策オプションからは、関連する既往施策(生物多様性国家戦略2012-2020など複数の省庁の計7文書から抽出された延べ1,467の施策がデータ化されている)のリスト及び個別データを表示することができます。なお、既往施策を政策手法等から絞り込み表示することもできます。上記の「既往施策群データベースから検索する」では、既往施策群を実施主体やフリーワード等で絞り込み検索できます。

今後の生物多様性の目標(ポスト2020枠組み)やSDGsに関する政策の検討において、自然資本・生態系サービスに関する重視すべき政策オプション、関連する既往施策の把握等にご活用ください。なお、ポスト2020枠組みやSDGsについては、下記より最新の情報を確認ください。