今回で4度目となる「バードデータチャレンジ」。今回はいわき市で開催しました。
参加者は、5-6名ずつの班に分かれて音声聴取を行い、班内で判別内容を検討して出現種を確定します。また、目的別に次の2つのクラスを設けました。
「チャレンジクラス」: 経験豊富な参加者が種判別を進めるクラス
「ビギナークラス」: 音声種判別の技能向上を目指す初心者向けクラス
ビギナークラスには各班1名のベテランチューターが付き、初心者の質問や疑問に答えつつ種判別を進める形をとりました。
開催趣旨の説明後、全員で音声種判別のレクチャーを受講しました。
その後、クラス毎の部屋にわかれ、40分間x2セットの音声聴取に取りかかりました。
種判別対象の音声データは、2017年5月に避難指示区域内外で録音されたものを用いました。
録音音声聴取とデータベースへの種名登録は、独自に開発したブラウザベースのwebシステム「SONO-TORI」をタブレットPC上で操作し行いました。
SONO-TORIに入力されたデータをもとに、判別完了地点の地図、出現種の画像付きリスト、種数が増えた際の通知を各会場のスクリーンにリアルタイムで投影することで参加者間の情報共有を図りました。
各セット間の休憩時間には、息抜きイベントとして、日本野鳥の会いわき支部会員の指導による篠笛作成の時間が持たれ、作った作品は参加者のお土産となりました。
約1時間半の聴取時間で、44地点分の録音データから、32種が確認されました。
判別終了後、参加者全員で出現種リストや特定の種の分布をスクリーンで確認しながら、判別結果の振り返りや、前年までの音声モニタリング調査で得られた鳥類相との比較を行いました。
イベント終了後に自由参加で開いた茶話会では、今回のイベントやいわき市の鳥類に関するお話で楽しく盛りあがりました。
参加者アンケートの集計を行った結果、各クラスを通じて、多くの参加者からイベントの内容に対して満足であるとの回答を頂きました。
自由回答欄では「全くの初心者でも楽しく参加できるのがとてもよかった」という声や、「これまでの蓄積からわかってきたことが説明されてよかった」、「今後も調査を続けてほしい」といった意見をいただきました。
「SONO-TORI」や出現種の可視化については、「リアルタイムに情報をみられるのがよい」という感想や、「ゲーム感覚ででできたことがとてもよかった」というコメントをいただきました。
今年でバードデータチャレンジは一旦休止となりますが、今後あらたな形でのイベント運営にむけて、これらのご指摘を参考にさせていただきます。