今回で2度目となる「バードデータチャレンジ」。今回は郡山市で開催しました。
参加者が5-6名ずつの班に分かれて音声聴取を行い、班内で判別内容を検討し、
出現種を確定するという形は昨年の前回開催時と同様ですが、今回は、新たな試みとして、目的別に次の二つのクラスを設けました。
「チャレンジクラス」: 経験豊富な参加者が種判別を進めるクラス
「ビギナークラス」: 音声種判別の技能向上を目指す初心者向けクラス
ビギナークラスには各班1名のベテランチューターが付き、初心者の質問や疑問に答えつつ種判別を進める形をとりました。
開催趣旨の説明後、チャレンジクラスはすぐに音声聴取を開始し、40分間x3セットの計2時間の種判別に挑みました。
一方ビギナークラスは、最初の40分間では音声種判別手法のレクチャーを受講し、その後、40分間x2セットの音声聴取に取りかかるスケジュールとしました。
種判別対象の音声データは、2015年5月に避難指示区域内外で録音されたものを用いました。
録音音声聴取とデータベースへの種名登録は、独自に開発したブラウザベースのwebシステム「SONO-TORI」をタブレットPC上で操作し行いました。
SONO-TORIに入力されたデータをもとに、判別完了地点の地図、出現種の画像付きリスト、種数が増えた際の通知を各会場のスクリーンにリアルタイムで投影することで参加者間の情報共有を図りました。
各セット間の休憩時間には、息抜きイベントとして、日本野鳥の会郡山支部会員の指導によるバードコール作りの時間が持たれ、作った作品は参加者のお土産となりました。
約2時間の聴取時間で、55地点分 の録音データから、39種 が確認されました。
判別終了後、参加者全員で出現種リストや特定の種の分布をスクリーンで確認しながら、判別結果の振り返りや、2014年の音声モニタリング調査で得られた鳥類相との比較を行いました。
イベント終了後に自由参加で開いた茶話会では、避難指示区域内外においての鳥類に関する意見交換が活発に行われました。
参加者アンケートの集計を行った結果、各クラスを通じ多くの参加者からイベントの内容に対して満足であるとの回答を頂きました。
自由回答欄には「自分が想像した以上に勉強になり、それ以上にとても楽しかった」、というコメントや、鳥類観察初心者の参加者からは、ベテランとの交流から得るものがあったという声がありました。
「SONO-TORI」や出現種の可視化については、「ゲーム感覚で行えてまだ出ていない鳥を探そうとやる気が出た」、という感想や、前回開催時からのシステムの改善が見られた、というコメントを頂く一方で、
タブレットPC操作への戸惑いや前方に投影する情報の視認性の問題など、運用の改善点についてのご指摘も頂きました。
今回頂いたご意見や要望については、既に開催が決定している2017年の開催時にフィードバックを行います。