BioWMとは

生物多様性情報の重要性とGBIFの役割

生物多様性保全に取り組むためには、蓄積された生物多様性情報を整備し、データから得られた科学的知見に基づいて意思決定を行う必要があります。生物多様性情報は複雑で多岐にわたるため、誰もがデータの中身を理解できる形式でデータを共有する情報基盤が不可欠です。 GBIF(地球規模生物多様性情報機構 ※読み方は「ジービフ」 は国際的な生物多様性情報基盤として誰でも自由にデータを閲覧・ダウンロードできる仕組みを提供しています。

2010年代から情報通信技術の革新およびオーブンデータの潮流により、利用可能な生物多様性データが急激に増加しました。生物多様性および環境研究に携わる研究者、政府機関、市民科学、民間企業などの連携により膨大なオカレンスデータがGBIFを介して利用できるようになりました。オカレンスデータは、標本や観察に基づき、ある生物がいつ、どこで出現したかを表す証拠であり、生物多様性研究において基礎となる情報です。 生物多様性条約(CBD) などの国際的な枠組みにおいても重要なデータとして活用されています。

BioWMとは

生物多様性ウェブマッピングシステム(BioWM ※読み方は「バイオーム」)は、GBIFでのデータ公開とその活用、生物多様性情報のオープン化の促進を目的として、生物多様性データの可視化ツールを提供しています。

国立環境研究所 生物多様性領域では、標本、観察およびモニタリングデータをGBIFに提供しており、これらのデータセットをBioWMのマップ上で閲覧することができます。生物多様性領域の出版したデータセットをマッピングするシステムとして、「生物多様性データセット検索」、「福島県東部の野生動物」を提供しています。また、GBIFに登録されたオカレンスデータを抽出してマッピングするシステムとして、「GBIF:国別」、「GBIF:分類群別」、「GBIF:学名検索」が利用できます。「GBIF: 学名検索」は、GBIFの持つ学名リスト (GBIFバックボーンタクソノミー)と照合するシステムとしてもご活用いただけます。マップ成果物をご利用いただく際には本ウェブサイトの 利用規約 をご確認ください。

技術情報

BioWMはオープンソース・マップサービス、オープンソース・ソフトウェアを使用し、国立環境研究所生物多様性領域が制作・開発しました。GBIFオカレンスデータマッピングにはGBIFのOccurrence API v1、Species API v1、Maps API v2を使用しています。地図タイルは地理院タイルおよびGBIF Mapタイルを使用し、地図データはOpenStreetMapおよび国土地理院から取得しています。地図表示用のJavaScriptライブラリはMapbox GL JSを使用しています。

JBIFとの連携

BioWMの開発において、 JBIF(日本生物多様性情報イニシアチブ ※読み方は「ジェイビフ」 メンバーには貴重なご意見とご支援をいただきました。JBIFはGBIFへのデータ登録、日本における生物多様性情報のオープン化・データ活用を促進するための事業を展開しています。国立環境研究所では平成26年度から運営委員ならびにワーキンググループメンバーとしてJBIFに参画し、令和4年度からJBIF分担機関として事業を進めています。GBIFへのデータ提供を行うとともに生物多様性情報のオープン化を支援しています。

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