研究成果
-
Home
-
Research Project
- Project Four
アルゼンチンアリの薬剤防除と生態影響評価
アルゼンチンアリ Linepithema humile
体長:2.5 mm/体色:黒褐色
もともとは南米に生息するアリですが、物資の移送に伴って、世界中に広く侵入しています。日本でも12都府県で定着が確認されています。アルゼンチンアリは繁殖力が高く、在来アリを駆逐するなど、生態系に被害をおよぼすおそれがあることから、2005年に環境省より「特定外来生物」に指定されました。
東京都大田区における薬剤防除
特定外来生物アルゼンチンアリの被害防止対策として、国立環境研究所は、環境省・自然環境研究センター・フマキラー株式会社と連携し、東京都大田区において試験的に薬剤防除を開始しました。具体的な方法として、殺虫成分フィプロニルを含んだベイト剤を道路や家屋の周囲に設置したり、巣を探して液剤を直接散布します。また、薬剤防除がアルゼンチンアリやその他のアリ類にどのような影響があるかを調べるために、粘着トラップを設置して、群集の動態をモニタリングしました。
薬剤防除が生態系に与える影響について
防除効率99.75%
防除開始1年目から、アルゼンチンアリの個体数は激減し、薬剤処理を行わなかった場合と比較して、99.75%の防除効率を示しました。
「根絶」評価方法の開発
現在、大田区では、アルゼンチンアリは見られなくなりましたが、本当に根絶したかどうかを判断するために、検出確率を推定する統計モデルを開発しています。
在来アリの回復
アルゼンチンアリの減少に伴い、その他のアリ類の個体数は回復しています。
その他の地域でも防除を開始
本研究で開発した防除マニュアルに則して、神奈川県横浜市、静岡県静岡市、京都府京都市、大阪府大阪市、兵庫県神戸市、岡山県岡山市で防除を開始しており、これらの地域でも着実に防除成果を上げています。我々は、日本からアルゼンチンアリを根絶することを目標にしています。
PDFで確認する
その他の研究成果
ページの先頭へ戻る
