今後気候変動がさらに進むと、将来どのような問題が生じるのでしょうか。今回は気候変動と食料安全保障の関係について最新の研究成果をもとに紹介します。
2015年に世界が合意したパリ協定では、産業革命以降から2100年までの地球の平均温度上昇を2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑えるという目標が掲げられています。この目標達成のために、温室効果ガス排出量の継続的な削減が必須です。しかし一方で、その排出削減を単純な世界で一律の経済合理性のみによって実現しようとすると、食料価格の上昇などを通じて及ぼされる食料需給への影響にも注意しながらバランスを取っていかなければなりません。