生態影響の包括的・効率的評価体系構築プロジェクト
進化する化学物質の管理体制に適応するため、in silico(インシリコ:QSARなどの計算機による解析)、in vitro(インビトロ:試験管内での細胞試験等)、in vivo(インビボ:実際の生物を用いた試験)の新規・既存生態影響試験の充実を行っています。その際には、AOP(Adverse Outcome Pathways)やIATA(Integrated Approach to Testing and Assessment)などを視野に入れて、MoA(作用機構)に立脚したTG(テストガイドライン)の開発を行うとともに、WET(Whole Effluent Toxicity)などを利用して化学物質の複合影響や実環境での生態影響をも考慮した、包括的かつ効率的な生態影響の評価・管理ツールの体系構築を目指しています。また、東京湾や福島県沿岸など人為環境負荷が懸念される沿岸生態系での化学物質以外も含めた環境因子と個体群および群集レベルでの生物相変化との関連性を、野外調査・実験・数値モデル解析等により究明しています。さらに沿岸生態系の改善および回復に向けた分野横断的な対応策を提案します。最終的に化学物質の生態リスク評価・管理の新たな体系を利用した新たな化学物質の管理の手法を利用しつつ沿岸生態系の改善・回復策の提示も行います。