第5期中期計画(2021-2025年度)の研究
2021年から2025年にわたる、第5中長期計画において取り組んだ研究をご紹介します。
福島地域協働研究拠点では、つくば本部や国内外の関係機関とも連携して災害環境研究に取り組んでいます。災害環境研究とは、福島第一原子力発電所事故を含む東日本大震災等の災害から得た経験知を踏まえた、被災地での中長期的な環境影響の実態把握・評価、地域との協働を交えた被災後の環境回復・環境創生のための実践的研究、将来の大規模災害に備えた強靭で持続可能な地域社会構築のための研究等、災害環境学の確立を目指した調査研究です。
第5期の中長期計画では、災害環境研究プログラムにおいてこれまでの取組による成果に基づき、地域ステークホルダーとの協働の下、福島県内における放射能汚染からの環境の修復、影響評価に基づく地域環境の再生・管理と、地域資源を活かした環境創生に資する地域協働型研究を推進していきます。また、過去の災害から得られた経験と知見の集積・活用・体系化により、国内における大規模災害時における廃棄物処理システムの強靭化と化学物質リスク管理に係る非常時対応システムの構築に取り組んでいます。これによって、福島県内の避難指示解除区域等における社会的ニーズに応じた持続可能な地域環境構築を支援するとともに、その成果も活用しつつ、国内の広域・巨大災害に備えた地域社会が有する災害環境レジリエンスの向上に貢献することを目指しています。
災害環境研究プログラム
国立環境研究所では、長年にわたり培ってきた環境研究の蓄積をもとに、2011年3月の東日本大震災の発生直後から国や地方自治体と連携・協働して、様々な被災地支援の災害環境研究を行ってきました。 第5期中長期計画では災害環境研究を一層進め、その研究成果を最大限活用して福島における環境復興へ着実に貢献するため、「地域協働」をキーワードとして、今後5年間で重点的に取り組む災害環境研究プログラムを実施します。具体的には、以下図のような取り組みです。
環境影響・修復研究、環境創生研究、災害環境管理研究 それぞれにおいて2つのプロジェクトを立てて、個別の課題に取り組むととともに、プロジェクト間の連携のみならず自治体・研究機関・民間機関などと連携・協力しながら、総合的な研究活動を推進しています。
福島県内の原子力災害被災地において、地域環境の再生・管理と地域資源を活かした環境創生に資する地域協働研究を進めています。さらに、福島拠点において地域協働を進める体制を整備し、環境復興と持続可能な地域づくりに貢献することを目指しています。また、廃棄物処理システムの強靭化と化学物質マネジメントの非常時対応システムの構築を進めることによって、今後想定される大地震や風水害、原子力災害等に対して強靭性かつ持続性を有する地域社会づくりに向けた自治体等の事前の計画づくりに貢献していきます。
私たちは、研究プログラムにおける取り組みや成果を地域の多様なステークホルダーの方達に向けて発信するだけでなく、彼らが集う対話の場を創り出し、そこから新たな協働研究を展開させていきます。その成果も活用しながら、様々な地域の環境問題の克服に向けたステークホルダー間の目標の共有化を図り、問題解決に向けた具体的な取り組みの実施に対する支援も行っていきます。