(1/1)

 

Dipsastraea favus (Forskål, 1775)  

ナミキクメイシ(改称)

Meruliniidae Verrill, 1865 サザナミサンゴ科

Dipsastraea de Blainville, 1830 キクメイシ属

撮影:杉原 薫(西之表市上古田、水深10m)

 

莢の長径は8mm〜1.5cm。

成長形:準塊状〜塊状群体。

軟体部の色彩と特徴:褐色〜赤褐色。口盤は広く見える。

骨格の特徴:個体は円形〜いびつな楕円形、莢の長径は8mm〜1.5cm、群体ごとに個体の大きさはよく揃う。個体配列はプロコイド型だが、個体間隔が狭くなりやすく、群体頂部では一部セリオイド型になることがある。莢壁は薄めで、突出したりすぼんだりすることはほとんどない。隔壁・肋は4次まで発達するが、3次・4次隔壁がよく発達する場合としない場合がある。4次隔壁までよく発達した個体では、1次・2次隔壁は軸柱まで、3次隔壁も軸柱のすぐ手前までよく伸びる。このとき4次隔壁は、莢壁上縁ではよく発達するが、莢内では莢壁に沿ってわずかに発達する程度。隔壁・肋は莢壁上縁で突出しない。1〜3次隔壁は、莢壁の内側に沿って急傾斜で落ち込むが、パリ状葉の発達とともに途中から軸柱側に張り出す。肋は短く、個体間で共有することが多い。隔壁・肋の上縁には鋸歯がよく発達、等間隔で配列する。また鋸歯と隔壁・肋の側面には、先端の尖った顆粒状突起がよく発達する。そのため骨格表面はざらついて見えることが多い。軸柱は円形〜楕円形で、長径は1.5〜2mm。

生息環境:礁池・浅礁湖の浅瀬や、やや遮蔽的な礁斜面や岩礁斜面の水深10m以浅で見られる。

国内での分布:和歌山県串本・熊本県天草牛深以南。種子島では稀。

補足:内田・福田(1989)でスボミキクメイシの和名が与えられた種はDipsastrea speciosa キクメイシの可能性が高い。また、D. favus のタイプ標本は莢壁が突出せず、個体がすぼんで見えることはない。よって本種の和名は、白井・佐野(1985)が提唱したナミキクメイシに改称する。本種はD. speciosa キクメイシのほか、D. cf.favus Favites virens オオカメノコキクメイシと混同されている。よって、本種の国内での生息状況を再検討する必要がある。

* 種子島初記録種

西平・Veron (1995)での出現記録:Favia danaeとして記録した可能性あり

 

 

 


<< 戻る  (1/1)

●お問い合わせ: 国立環境研究所 生物多様性領域

〒305-8506 茨城県つくば市小野川16-2 Email: biodiv.data@(この部分は削除してメールして下さい)nies.go.jp

 

Copyright © National Institute for Environmental Studies. All Rights Reserved.

Powered by Database Factory