成長形:主に板状群体で、長径50cm、中心付近の厚さ2cmを超える群体は、皿型またはすり鉢型になることが多い。また、群体中心部に直径が3cm前後の柱状部が発達することがある。さらに大きく成長すると、群体がバラの花弁のように幾重にも重なり、巨大な半球状群体に成長することもある。
軟体部の色彩と特徴:灰褐色〜褐色。昼間でも触手をよく伸ばしている。
骨格の特徴:個体は円形〜やや楕円形で、莢の長径は5〜6mmと大きい。莢壁は厚く、多くは上方に2〜5mmほど突出するため、個体は円筒状に突出して見える。隔壁は通常24枚だが、さらに24枚の非常に短い隔壁がそれらの間に発達することがある。隔壁の上縁と側面には、小さな鋸歯と顆粒状突起がそれぞれ発達する。軸柱は大きな楕円丘形で、複数の隔壁内縁部に形成されたパリ状葉部が絡み合うことで形成される。共骨は多孔質で、孔の形状や間隔は不揃い。共骨表面には単一尖端棘や細分尖端棘がよく発達する。また、隣接するそれらの棘の下部が部分的に融合して、共骨表面の一部が畝状に見えることがある。
生息環境:礁斜面の深場や、やや濁った岩礁域や遮蔽的な内湾部で見られる。
国内での分布:静岡県西伊豆・長崎県対馬以南。
* 種子島初記録種
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