AMSはイオンに高エネルギーを与えることによって、ひとつひとつのイオン粒子を検出することを可能にする分析方法です。そのため、高電圧を発生するタンデム型加速器を中心に非常に大型の装置が必要となります。加速器は放電を避けるために、絶縁性ガスを充填した圧力タンクに納められており、そのタンクは直径2.1m、長さ8.4mあります。写真は加速後の高エネルギーイオンを分析するためのビームラインで、右端に見えるのが圧力タンクの端です。ここから、加速されたイオンビームが左の分析電磁石へと進み、質量分析され、微量の同位体に関しては写真中央奥に見えるビームラインでさらに妨害因子を除去して検出器へと収束していきます。固体イオン源からガスイオン化検出器までのビームラインは約38mになります。
NIES-TERRAでは、AMSで一般的に用いられている固体用イオン源を用いています。固体用イオン源で発生したビームは、入射電磁石で高速に振り分けられ、同位体をパルスとして加速器に入射されます。これは逐次入射系とよばれ、イオン源の不安定性をキャンセルするために0.1秒を1サイクルとした高速振り分けを実施しています。このシステムでは炭素の場合、約1mgのグラファイト試料を用いて0.3%前後の高精度測定が可能です。
AMS | 14C専用AMS | |
加速器型 |
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最大加速電圧 |
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最大電流 |
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給電方式 |
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荷電変換 |
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イオン源 |
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用途 |
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