タンデム型加速器


    この加速器は、正の高電圧(最大500万ボルト)に帯電した電極(ターミナル)を中心として、その両側に加速管が2本直列につながった構成になっています。それゆえ、2頭だての馬車を表すタンデムになぞらえて、タンデム型加速器と呼ばれています。電荷を運び高電圧を保つためにペレットチェーンとよばれるチェーンを回転させ、ターミナルに電気を供給します。

    逐次入射系あるいは同時入射系を経て、加速器に入った負イオンは、ターミナルに向かってまず1回加速されます。そして、ターミナル内の希薄気体(アルゴンなど)あるいは炭素薄膜を通過することによって、電子がいくつかはぎ取られ正のイオンに変わります。すると、この正イオンはターミナルに反発されて、2回目の加速を受けることになります。この時に分子イオン(たとえば12CH2-14C-と同じ質量数になるので14Cを妨害します)として入射されたものは分子が破壊され、それぞれ原子イオンとなるので分析電磁石による質量分析で除去することが可能です。

    高電圧を維持するためにターミナルと加速管は、SF6という絶縁性の気体が充満した圧力タンクの中に納められています。タンクは外径2.1m、長さ8mの大型タンクで中に入って作業することもあります。

  タンデム型加速器の外観(高エネルギー側から)

加速器内部の様子

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