環境経済・政策研究室
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平成21年度の成果
タイトル | Does Trade Openness Improve Environmental Quality? |
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論文情報 | "Journal of Environmental Economics and Management" の掲載論文のうち、2010年ダウンロード数No.1にランキングされました。 → ScienceDirect Top 25 Hottest Articlesサイトへ |
著 者 | MANAGI, Shunsuke, Akira HIBIKI and Tetsuya TSURUMI |
研究の概要 | 貿易依存度の増加が汚染物質排出量に与える影響についての実証研究の先行研究には、Antweiler, et al (AER, 2001)やCole and Elliott (JEEM, 2003)がある。これらの研究は、主に先進国のパネルデータを用いて、汚染物質排出関数(二酸化炭素排出量、硫黄酸化物排出量、BOD(水質汚濁指標)排出量など)を推計し、貿易の自由化(貿易依存度の増加)が汚染物質の排出量を削減し、環境保全に貢献することを明らかにしている。しかし、これらの先行研究には、いくつかの問題がある。@貿易の自由化は、一国の所得(生産水準)を増加させ、排出量に及ぼす影響を考慮していない、A短期的効果、長期的効果を明示的に識別していないために、動学的なプロセスを通じた効果の違いを議論していない、B先進国のデータを用いた分析であるため、発展途上国を考慮した場合、同様の結論が得られる保証がない。本研究では、多くの発展途上国のデータをカバーしたデータを用いて、先行研究を拡張し、先行研究の問題点に対処した分析を行った。その結果、貿易の自由化(貿易依存度の上昇)の直接効果と間接効果(一国の生産(所得)への影響を通じた効果)を合わせた効果として、@BODについては、先進国および発展途上国双方で、貿易自由化は排出量の減少させる、A二酸化炭素、硫黄酸化物については、先進国では、貿易自由化によって排出量が減少するが、発展途上国ではむしろ排出量が増加する、B短期的な効果は限定的だが、長期的効果は大きなものとなる、などの点が明らかとなった。 |
掲載誌情報 | Journal of Environmental Economics and Management, 58 (3), pp.346-363, 2009年 |
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