ピレスロイド pyrethroid

ピレスロイドって?

 ピレスロイド(pyrethroid)とは、除虫菊(Chrysanthemum cinerariaefolium Bocquilon)に含まれている天然の成分(殺虫成分:天然ピレトリン)と、これと化学構造のよく似たピレトリン類似の合成化合物(合成ピレスロイド)を総称して、ピレスロイドといいます。現在、天然のピレトリンの化学構造を改変する研究を通して、物理的および化学的特性が改善され、数々の合成ピレスロイドが製造され、殺虫剤として広く利用されています。

◆ピレスロイドの種類 (天然ピレスロイドと合成ピレスロイド)

<天然ピレスロイド>

・・・酸(菊酸)とアルコールからなるエステル化合物で、殺虫成分が含まれています。(天然ピレスロイドは、菊酸を共通構造に持っています)。

・ピレトリン(Pyrethrin)

・シネリン(Cinerin)

・ジャスモリン(Jasmoline)

など

C21H28O3 Pyrethrin 1

除虫菊

キク科の多年草でシロムシヨケギクともいいます。

<合成ピレスロイド>

・・・天然のピレトリンの化学構造を改変して、数多くの合成ピレスロイドが開発されました。一番最初に製造された合成ピレスロイドが、アレスリンです(アルコール部分の改変)。

・アレスリン(Allethrin)「化学物質データベース:アレスリン」へ

・ペルメトリン(Permethrin)「化学物質データベース:ペルメトリン」へ

・レスメトリン(Resmethrin)「化学物質データベース:レスメトリン」へ

・フラメトリン(Furamethrin)

・フェノトリン(Phenothrin)「化学物質データベース:フェノトリン」へ

・エトフェンブロックス(Etofenprox)「化学物質データベース:エトフェンブロックス」へ

・メトフルトリン(Metofluthrin)

・フタルスリン(Phthalthrin)

・シフェノトリン(Cyfluthrin)

など

蚊取線香

ピレスロイドを原料にして製造されています。

C19H26O3 Allethrin

C25H28O3 Etofenprox