2-3.財務の効率化
- 予算の経済的な執行を行い支出の削減に努め、平成21年度においては、運営費交付金に係る業務費のうち、業務経費については1%以上、一般管理費については3%以上の削減を目指す。また、「行政改革の重要方針」(平成17年12月24日閣議決定)を踏まえ、平成22年度までに人件費を5%以上削減するとともに、給与構造改革を踏まえた給与体系の見直しを進める。
- 事務処理の迅速化・効率化を図るため、文書の電子化を更に推進するとともに会計処理等の事務の効率化に資する新たなシステムの導入、業務・事務フローの点検等について引き続き検討を進める。
- 受託収入(競争的な外部研究資金及び受託業務収入)については、国環研の目的、使命に良く合致した資金であるか否かを吟味した上で、平成21年度についてもその確保に努め、着実な運営に努める。特に、競争的な外部資金の平成21年度の額は、第1期中期目標期間中の年平均額と同等程度又はそれ以上を確保する。
- 国環研の知的・物的能力を、業務の支障のない範囲で、所外の関係機関に対して提供して収入を得ること等により、円滑な財務運営の確保に努める。
21年度計画の位置づけ
外部資金たる自己収入の目標額確保を図るとともに、予算の効率的かつ経済的な執行に努める。
業務の実績
1.予算の経済的な執行
(1)業務費については、21年度予算は、20年度比業務経費△1%、一般管理費△3%の方針のもと6,554,118千円となり、これに対し決算額は6,584,805千円であり、30,687千円上回った。
(2)人件費(退職手当、法定福利費を除く。)については、17年度における決算額から△4%削減を趣旨とする額2,312,022千円に対し、21年度は、2,153,350千円であり、158,672千円下回った。
(3)電気・ガスなどの光熱水費については、引き続き、省エネルギー対策等の推進に努め使用量の削減を図ったことなどにより、前年度に比べ、約141百万円の減額となった。(資料45)
(4)当期総利益については、自己財源で取得した固定資産の減価償却費の減、ファイナンス・リース取引の支払利息の減などが主な要因である。
(5)利益剰余金は、186百万円であり、その内訳は以下のとおりである。 54百万円:前中期目標期間繰越積立金 111百万円:積立金 21百万円:当期未処理損失 なお、通則法第44条第3項による目的積立金の主務大臣への承認申請については、中期計画に掲げる剰余金の使途に該当する事業がなかったため行っていない。
(6)21年度に交付された運営費交付金9,292,205千円に対し、繰越事業、複数年度契約等の影響などにより、当期振替額は8,317,518千円であった。
2.会計事務処理の改善
会計事務処理等の迅速化・効率化を図るため、新たな会計システム及び人事・給与システムの構築等について、仕様書を作成し、22年6月までに入札を実施した。
3.受託収入等自己収入の確保
(1)21年度においては、自己収入として総額3,493百万円(対前年度148百万円減)を確保した。(資料41、42)
(2)うち、競争的な外部資金の獲得額は2,074百万円であり、対前年度240百万円増を確保したものの、第一期中期計画期間の年平均額(2,170百万円)を下回った。競争的な外部資金の獲得について、申請内容を精査し、研究提案力の強化に努めるなど、目標達成に向けた努力をしている。
自己収入の総額と主な内訳
(単位:千円)
| 区分 | 見込額 | 20年度 | 21年度 |
|---|---|---|---|
| 自己収入の総額 | 見込額4,069,000 | 3,641,345 | 18年度3,493,311 |
| 競争的資金・一括計上 | 見込額- | 18年度1,833,194 | 18年度2,073,658 |
| 政府業務受託 | 見込額- | 18年度1,452,944 | 年度950,258 |
| 民間等受託・民間寄付 | 見込額- | 18年度329,909 | 18年度441,516 |
| 環境標準試料等分譲事業 | 見込額- | 18年度12,879 | 18年度13,415 |
注)1.受託業務等の内容については、資料42参照。
2.見込額4,069,000千円:第一期中期計画期間の実績を踏まえた収入の見込額。
(3)このほか、文部科学省科学研究費補助金等の研究補助金については、134件、752百万円の交付を得た(資料43)。なお、これらの研究補助金(いわゆる競争的資金)は、研究者個人に交付される補助金であり、研究機関に交付されるものではないことから、事務経費としての間接経費130百万円を除き、研究所の収入には算入していない。
4.知的・物的資源の所外貢献
知的・物的資源の所外貢献として、引き続き、環境標準試料や微生物保存株等の有償分譲を行い、21年度における収入は1,341万円(前年度1,288万円)であった。この他、21年度において、「電気自動車の車体」他5件について、その特許権譲渡契約により423万円、書籍(「ココが知りたい地球温暖化」など)の印税分として74万円(前年度2万円)等の収入があった。
5.契約
(1)19年12月に策定した「随意契約見直し計画」に伴い、原則として一般競争入札に移行している。その結果、18年度と21年度で一般競争入札等の件数及び金額を比較すると、件数で208件(408%)の増、金額で674百万円(15%)の減となっている。金額の減については、18年度におけるスーパーコンピュータ契約などの債務負担行為(将来にわたる債務を負う契約)が影響しているが、件数では、着実に「随意契約見直し計画」の成果が現れている。21年度における予定価格が100万円を超える契約実績(いわゆる少額随意契約基準額以上の契約)は、契約件数501件のうち、259件について一般競争入札等(不落随契・企画競争を含む。)の競争性のある方法により契約を行った。なお、20年度と比較すると、全体の契約件数・契約金額とも増加しているため、随意契約の件数・金額とも増加しているが、随意契約率はそれぞれ2〜3%減少している。
(2)契約事務改善に向けた取組について
1)一般競争入札
一般競争入札に関する規定については、契約事務取扱細則においてすでに国と同様の基準を整備しているが、一般競争入札における一者応札率の低減を図るための改善策として入札公告期間を拡大(下限10日間)し、可能な限り20日間以上の公告期間を取ることとしている。
また、可能な限り競争参加資格条件を設定しない、入札説明書等を当研究所ホームページからダウンロード可能とする、などの取組を行っている。
2)随意契約
随意契約を行う場合には、所内の契約審査委員会で承認を得た後契約を行うこととしており、21年度は15回開催し、随意契約の可否を判断した。特に研究機器の購入については、研究遂行上、真に必要な研究機器であるか、第三者による客観的な判断を取り入れた上で随意契約の可否を判断している。
(3)政策評価・独立行政法人評価委員会意見に対する対応について
政策評価・独立行政法人評価委員会からの意見(21年12月9日付け政委第35号)の事項については、次のとおり対応している。
1)契約の適正化
予定価格の作成については、国と同様の基準を規定し、これに基づき行っている。また、総務省行政管理局長事務連絡(20年11月14日付)において要請されている事項については、措置済である。
2)契約事務手続に係る執行体制や審査体制の確保
契約事務量は一般競争入札案件の増加等により激増しているが、人員の増加は困難な状況にある。このため、契約の適正性の確保に努めつつ、業務分担の見直しや合理化等により対処しているところである。
3)随意契約見直し計画の実施・進捗状況等
19年12月に策定した「随意契約見直し計画」については、20年度時点において目標を達成済である。
また、「独立行政法人の契約状況の点検・見直しについて(21年11月17日閣議決定)」に基づき、外部有識者を含めた契約監視委員会を設置して、競争性のない随意契約及び一者応札・応募の点検・見直しを行い、22年4月に新たな「随意契約等見直し計画」を策定した。これを実施することにより、一層の随意契約等の見直しに努めている。
4)契約の第三者委託
一括再委託の禁止措置については、工事・建築設計や役務・物品購入契約など個別案件毎に講じており、適切に実施している。再委託(随意契約による委託契約の再委託割合が高率(50%以上)の案件を含む。)については、いずれも事前に再委託の承認申請を受けた上で、再委託理由と原契約の随意契約理由との齟齬がないか、再委託が妥当であるか等を審査した上で承認している。
5)一般競争入札における一者応札
当研究所において一者応札率が高い契約は、研究機器の購入やメンテナンス等であり、研究開発型法人の特性と考えられる。一般競争入札における一者応札率は、21年度は66.2%(20年度は64.6%)で、大きな変動ではなく、特別な原因は考えられないが、契約監視委員会の議論を踏まえて改正した「一者応札・応募に係る改善方策について」を運用することにより、一層の競争性の確保に努めている。
6)関連法人に係る委託の妥当性
関連公益法人等(「(財)地球・人間環境フォーラム」)との契約により行っている事業は、研究施設・機器の維持管理や大気・水質等のサンプリング・分析など研究遂行上必要な研究補助業務であり、また、21年度の少額随意契約基準額以上の契約は、共同研究1件を除きすべて一般競争によるものである。なお、当該法人との間の契約において一者応札が多くなっている理由は、高度な業務内容に精通していることに加え、研究補助といった専門的な能力を要する等他者が応札しにくい状況にあったためと推測されるが、引き続き、一層の透明性、競争性の確保に努める。
(4)「独立行政法人における契約の適正化について(依頼)」(21年4月13日総務省行政管理局事務連絡)」をもって総務省から要請のあった、一者応札、一者応募の改善方策のホームページ上への公表は、次のアドレスにおいて公表している。 http://www.nies.go.jp/osirase/chotatsu/minaoshi/taio.html
(5)関連公益法人について((財)地球・人間環境フォーラム)
法人の事業収入に占める当研究所との取引に係る額が3分の1以上であるため、(財)地球・人間環境フォーラムが「関連公益法人等」に該当している。当該法人との契約については、一般競争への移行など透明性、競争性の確保に努めており、また当研究所からの出資金等はなく、当研究所の役職員経験者で当該法人の役員に就任している者はいない。
【参考】 注)括弧内の割合:契約金額に占める一般競争入札の割合
18年度契約 45件 302百万円 うち一般競争 2件 23百万円( 7.5%)
19年度契約 33件 332百万円 うち一般競争 8件 231百万円(69.5%)
20年度契約 26件 244百万円 うち一般競争11件153百万円(62.7%)
21年度契約 23件 349百万円 うち一般競争11件272百万円(77.8%)
関連資料
- このリンクはPDFデータにリンクします(資料41)平成21年度自己収入の確保状況 [PDF:122KB]
- このリンクはPDFデータにリンクします(資料42)平成21年度受託一覧 [PDF:205KB]
- このリンクはPDFデータにリンクします(資料43)平成21年度研究補助金の交付決定状況 [PDF:56KB]
- このリンクはPDFデータにリンクします(資料44)平成21年度主要営繕工事の実施状況 [PDF:46KB]
- このリンクはPDFデータにリンクします(資料45)光熱水費の推移 [PDF:116KB]
自己評価と今後の対応
予算については、経済的な執行を行い、支出の削減に努めた。一方、自己収入については、前年度と比較して競争的な外部資金は増加したものの、全体としては目標額を下回った。
今後は、引き続き、予算の効率的かつ経済的な執行に努めるとともに、受託収入及び競争的な外部資金について、申請内容を精査し、研究提案力の強化に努めるなど目標額の確保に努める。

