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平成19年度業務運営の要点

1.総括的運営方針

平成19年度は、第2期中期計画(平成18〜22年度)の第2年度であり、初年度に引き続き、研究組織及び研究プロジェクトの円滑な運営、研究基盤の整備並びに所内諸システムの運用と一層の改善に努めることにより、中期計画で設定された業務目標の着実な達成に向けて以下の取組を進めた。

2.研究の構成

重点研究プログラムの推進

  • 環境の健全性を確保し、持続可能な社会を構築するため、国立環境研究所(以下、「国環研」という。)が集中的・融合的に取り組むべき研究課題として4つの重点研究プログラムを設定した。すべてのプログラムは、中期計画の目標の達成に向け着実に進展し、20年5月の外部研究評価委員会において、高い評価を得た。

先導的・基盤的研究の推進

  • 長期的な視点に立って先見的な環境研究に取り組むとともに、新たに発生する重大な環境問題、長期的・予防的に対応すべき環境問題への対応として、8つの基盤的な調査・研究分野において、研究を推進した。
  • 競争的な環境下での基盤的研究の推進を図るため、所内公募による「特別研究」及び「奨励研究」を実施した。「特別研究」12件については、内部の研究評価委員会により事前評価・採択を行い、外部評価委員会による事後評価を行った。「奨励研究」27件については、事前評価・採択及び事後評価を内部の研究評価委員会で行った。

知的研究基盤の整備

  • 国環研内外の様々な研究の効率的な実施及び研究ネットワークの形成を推進するため、知的研究基盤の整備を行った。その成果については、20年5月の外部研究評価委員会において、高い評価を得た。

3.環境研究の戦略的推進

  • 企業との共同研究(6件)、企業からの受託研究及び研究奨励寄付金による研究(26件)を、着実に進めた。
  • 大学との間の交流協定等は、1件増の18件となった。人的交流としては、研究者が大学の客員教員・非常勤教員となるほか、大学からの客員研究員や研究生の受入れなどを行っている。
  • 全国地方環境研連絡協議会と連携して、第23回全国環境研究所交流シンポジウム(テーマ「沿岸海域の再生と今後のモニタリングについて」)を開催するとともに、地方環境研究所との協力に関する検討会を開催した。また、30の地方環境研究所との間で62件の共同研究を実施した。
  • UNEP、IPCC、OECD等の国際機関の活動やGEO(地球観測グループ)、等の国際研究プログラムに積極的に参画するとともに、AsiaFluxネットワーク、GIO(温室効果ガスインベントリオフィス)、GCP(グローバルカーボンプロジェクト:平成16年4月から)の事務局としての活動等に取り組んだ。さらに、気候変動枠組条約締約国会議の公式オブザーバーステータスが認められ、19年12月のCOP13/CMP3(インドネシア)にNGOとして参加した。

4.研究成果の積極的な発信と社会貢献の推進

  • 市民の環境保全への関心を高め、環境問題に関する科学的理解及び研究活動への理解の増進を図るため、マスメディアやインターネット、並びに刊行物等を通じた情報の提供を進めた結果、19年度中に国環研の研究が紹介された新聞報道は474件にのぼった。また、国環研ホームページの全面的なリニューアルを実施し、アクセシビリティの向上を図った結果、利用件数(ページビュー)は、年間の総計が約2,938万件(17年度比19%増加。18年度比94%)であった。
  • 19年度の研究成果の査読付き発表論文数は421件、誌上発表件数は565件、口頭発表件数は1,116件で、平成13年度から17年度までの年間平均値のそれぞれ1.21倍、0.97倍、1.05倍に相当し、誌上発表件数を除き、年度目標(第1期中期目標期間中の年平均より増加)を達成した。
  • 19年度には8件の発明を職務発明に認定した。なお、19年度には職務発明に係る特許として1件が新たに登録され、国環研が保有する特許権等は44件となった。また、特許の取得等を促進するために、顧問契約を結んでいる特許事務所に知的所有権の取得、活用について相談等が行えるよう支援環境を維持した。
  • 19年6月に国環研の研究成果を発表する公開シンポジウム2007「未来を拓く環境研究−持続可能な社会をつくる−」を東京と京都で開催し、計1,120名の参加を得た。
  • 研究所施設の一般公開(4月と7月)、国内外からの視察(国内100件、海外38件)により、7,539人を研究所内に受け入れた。特に平成19年7月21日(土)に開催した国立環境研究所「夏の大公開」は、夏休み期間に開催し、前年とほぼ同数の4,844名(18年度4,941名)の参加を得るなど好評を博した。
  • エコライフ・フェア2007をはじめとして、環境研究・環境保全に関するイベント、展示会等に積極的に協力した。

5.環境情報の収集、整理及び提供に関する業務

EICネット

  • 行政、研究機関、企業、NGO等の環境情報を幅広く案内するとともに、市民の情報交流の場を提供する総合案内のホームページとして、EICネットを運営してきたが、現在では民間独自のホームページ等を通じた交流も極めて活発化し、多様な取り組みがなされているため、民間の多様な取り組みに委ねることとした。

環境研究技術ポータルサイト

  • EICネットの運用取りやめを受け、19年10月より、環境研究、環境技術に重点を置いた情報提供に移行することとし、「環境研究技術ポータルサイト」を構築し、運用を開始した。

環境GIS

  • コンテンツの増加に伴って複雑化したページ構成の見直しを行うとともに、利用者にとってより使いやすいシステムとするため、画面デザインを一新し、ホームページ内の各サイトのページレイアウトを統一するなどの全面リニューアルを実施した。また、「測定地点マップ」サイトを構築し、平成20年2月より公開した。このサイトでは、GISの特性を活かし、地域内で行われたさまざまな環境調査データを「電子国土Webシステム」を使用して地図上に一括して表示することができる。

6.人材の効率的な活用

  • 研究課題への対応等のため、19年度においては、すべて公募により研究系職員5人(うち、任期付研究員3人、女性2人)を新たに採用した。一方で職員や任期付研究員等の大学への転出者等が6人(うち任期付研究員は1人)あり、19年度末の研究系職員の数は、前年度195人に比べ1人減の194人となった。また、研究系職員のうち任期付研究員は18年度末に比べ2人増の31人となり、割合にして16.0%となった。
  • 増大する研究ニーズに応えるため、NIES特別研究員、NIESフェロー、NIESポスドクフェロー等の研究費により雇用する研究員の採用を進めた。19年度末の員数は200人であり、前年度170人から30人の増加となった。
  • 職員の職務能力向上のため、面接による目標設定と業績評価を行う職務業績評価制度を全職員を対象に実施した。18年度職務業績の評価結果については、19年度の6月期業績手当及び特別昇給に反映させた。
  • 研究活動等で顕著な功績があった職員に対するNIES賞の表彰(9名)を行った。

7.財務の効率化

  • 19年度においては、総収入額14,906百万円のうち、自己収入として、3,712百万円を確保した。これは年度当初の見込額(4,069百万円)を下回る結果となった。その主な内訳は、次のとおりである。
19年度 (18年度)
競争的資金等 18年度1,706百万円 (17年度)(2,054百万円)
政府業務受託 18年度1,768百万円 (17年度)(1,514百万円)
民間等受託、民間寄付 18年度215百万円 (17年度)(221百万円)
環境標準試料等分譲 18年度12百万円 (17年度)(10百万円)
  • 一定額以上の契約については、特定の者以外の適切な実施が期待できないものを除き原則として競争入札によることとし、19年度においては、80件について一般競争入札を行った。
  • 電気・ガスなどの光熱水費については、省エネルギー対策等の推進に努め、使用量の削減を行ったが、ガス等の単価料金の値上げにより増額となった。(増加額16百万円)。
  • その他、会計事務処理の迅速化・効率化の観点から、次期会計システム導入向けて、導入するシステムの内容を変更することとした。

8.効率的な施設運用

  • 大型施設、大型計測機器等の研究施設・機器、インフラ等について、所内公募を行い、多くの研究に利用でき、緊急性の高いものなどから優先的に更新・整備を行った。
  • 今後の大型施設の管理運営のあり方に向けた検討を行うため、国環研内に設置する大型施設調整委員会を開催し、また、各ユニットにおけるヒアリングなども踏まえ、今後の検討に当たって考慮すべき課題を整理し、「大型施設の管理・運営に関するレビュー結果」として取りまとめた。
  • −研究施設のスペースの効率的な利用を図るため、年度当初に802uのスペースについて利用再配分を決定するとともに、スペース課金制度実施規程に基づき、研究所のスペースの合理的な利用と業務の適正かつ効率的な運営を図った。

9.環境配慮の取組

  • 国環研の2箇所の観測施設「辺戸岬大気・エアロゾル観測ステーション」及び「富士北麓フラックス観測サイト」において、自然公園法に違反した事案が発生した。事案の判明後、関係機関及び関係者への報告、陳謝、並びに必要書類の提出等により、適切に対応した。また、研究業務に際して関係法令の遵守を徹底するよう指示し、再発防止を図った。
  • 「独立行政法人国立環境研究所環境配慮に関する基本方針」に基づき、研究計画との調整を図りつつ大型施設等の計画的休止、エネルギー管理の細かな対応等に取り組んだ。また、省エネ型冷凍機、大型ポンプへのインバーター装置を最大限に活用し対策に取り組むとともに、17年7月から開始したESCO事業を着実に推進し、一層の省エネ及びCO削減を図った。
    以上の結果、電気・ガスのエネルギー消費量は、対12年度比・床面積当たりで75%となった(計画目標は対12年度比・床面積当たり20%以上削減)。また、二酸化炭素の排出量は対13年度比・総排出量で19.5%の減少となった(計画目標は対13年度比・総排出量で14%以上削減)。
  • 上水使用量については、対12年度比・床面積当たりで50%の減となった。(計画目標は対12年度比・床面積当たりで30%以上削減)。
  • 「廃棄物・リサイクルに関する基本方針」に基づき、廃棄物の分別収集を徹底し、廃棄物の減量化・リサイクルに努め、廃棄物等の全量を対16年度比で25%以上削減した。処理・処分の対象となる廃棄物は、対16年度比で37%削減し、そのうち特に可燃物の量は、対16年度比で40%削減した。
  • 「環境配慮促進法」に基づき、18年度の事業活動に係る環境報告書を19年7月に公表した。
  • 環境に配慮した取組の一層の充実を図るため、19年4月「環境マネジメントシステム運営規程」を策定し、本所内を対象として環境マネジメントシステムを運用した。

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