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平成17年度業務運営の要点

1.総括的運営方針

平成17年度は、第1期中期計画(平成13〜17年度)の最終年度であり、研究組織及び研究プロジェクトの円滑な運営、新たな研究棟を含む研究基盤の整備並びに所内諸システムの運用と一層の改善に努めることにより、中期計画で設定された業務目標の着実な達成に向けて以下の取組を進めた。

このほか、18年度からスタートする第2期中期目標期間における研究内容・計画、研究等の組織体制、人事制度の検討を行った。

2.研究の着実な実施

重点特別研究プロジェクト及び政策対応型調査・研究

  • 重点特別研究プロジェクト及び政策対応型調査・研究については、中期計画の目標の達成に向け着実に推進し、18年5月の外部研究評価委員会において、中期目標期間の事後評価を受けた。
  • 事後評価においては、重点特別研究プロジェクトについては、昨年度の年度評価に引き続き、高い評価を得た。政策対応型調査・研究についても、化学物質のリスク管理、循環型社会の形成に関する分野とも、着実な知見の蓄積が見られる等との高い評価を得た。
  • 事後評価の結果は、各委員からのコメントを含め、18年度に開始された第2期中期計画に基づく研究計画の再点検と必要な見直しに活用し、今後の研究の一層の進展を図ることとしている。

基盤的調査・研究

  • 6つの研究領域において環境研究の基盤となる研究を実施したほか、所内公募研究として、主に若手研究者の育成を主眼とした「奨励研究」、及びプロジェクト型の「特別研究」を実施した。
  • 「奨励研究」については、公募及び所内の研究推進委員会による評価を行い、36件の基盤的研究及び長期的なモニタリングに関する研究を行った。なお、奨励研究制度については、フォローアップ調査を行い、その結果を踏まえて17年度の募集を行った。特別研究については、外部研究評価委員会の事前評価を行い、新たな4課題を含む10課題を実施した。

知的研究基盤

  • 環境研究基盤技術ラボラトリーにおいて、環境標準試料及び微生物保存株の所外等への提供を行った。地球環境研究センターにおいては、地球規模での精緻で体系的かつ継続的な地球環境モニタリングを行い、データベースの構築と運用を行った。
  • またその成果については、18年5月の外部研究評価委員会において、中期目標期間の事後評価を受け、昨年度の年度評価に引き続き、高い評価を得た。

3.企業、大学、地方環境研究所等との連携

  • 企業との共同研究(13件)、企業からの受託研究及び研究奨励寄付金による研究(34件)について、着実に進めている。特に(社)日本自動車工業会との間では、15年度から自動車排出ガスに起因するナノ粒子の生体影響に関する共同研究を実施しているほか、環境ナノ粒子に関するシンポジウムを協力して開催しており、17年度は、「2005ナノ粒子国際シンポジウム」を開催した。
  • 大学との間の交流協定等は、3件増の15件となった。人的交流としては、研究者が大学の客員教官・非常勤教官となるほか、大学からの客員研究員や研究生の受入れなどを行っている。
  • 全国地方環境研連絡協議会と連携して、第21回全国環境研究所交流シンポジウム(テーマ「大気環境研究の現状と将来−都市大気汚染・越境大気汚染・酸性雨−」)を開催するとともに、地方環境研究所との協力に関する検討会を開催した。また、25の地方環境研究所との間で63件の共同研究を実施した。
  • UNEP、IPCC、OECD等の国際機関の活動やGEO(地球観測グループ)、IGBP、Species2000(生物多様性研究ネットワーク)等の国際研究プログラムに積極的に参画するとともに、UNEPなどによるミレニアム・アセスメント、GTI(世界分類学イニシアティブ)のフォーカルポイント、Asia Fluxネットワーク、GIO(温室効果ガスインベントリオフィス)、GCP(グローバルカーボンプロジェクト:平成16年4月から)の事務局としての活動等の取組を進めた。さらに、気候変動枠組条約締約国会合(COP)の公式オブザーバーステータスが認められ、17年12月のCOP11(モントリオール)にNGOとして参加した。

4.研究員の確保、職務能力の向上

  • 研究課題への対応等のため、17年度においては、公募により研究系職員17人(うち任期付研究員は7人)を新たに採用した。一方で職員や17年度末に任期満了となる任期付研究員等の大学への転出者等が23人(うち任期付研究員は15人)あり、17年度末の研究系職員の数は、前年度209人に比し6人減の203人となった。その結果、研究系職員のうち任期付研究員は16年度末に比べ8人減の26人、割合にして12.8%となり、任期付研究員の割合を13%程度とする中期計画の目標は達成している。
  • 増大する研究ニーズに応えるため、NIESフェロー、NIESポスドクフェロー等の研究費により雇用する研究員の採用を進めた。17年度末の員数は154人であり、前年度130人から24人の増加となった。
  • 職員の職務能力向上のため、面接による目標設定と業績評価を行う職務業績評価制度を全職員を対象に実施した。16年度職務業績の評価結果については、17年度の6月期ボーナス(業績手当)及び特別昇給に反映させた。
  • 研究活動等で顕著な功績があった職員に対するNIES賞の表彰(3名)を行った。

5.自己収入の確保、予算の効率的執行

  • 17年度においては、総収入額16,241百万円のうち、自己収入として 3,938百万円を確保した。これは年度当初の見込額(3,845百万円)を上まわっている。その主な内訳は、次のとおりである。
17年度 (16年度)
競争的資金等 17年度2,038百万円 (16年度)(2,370百万円)
政府業務受託 17年度1,695百万円 (16年度)(2,086百万円)
民間等受託、
民間寄付
17年度186百万円 (16年度)(167百万円)
試料分譲、
施設使用料等
17年度11百万円 (16年度)(10百万円)
  • 一定額以上の契約については、専門経験を要するものを除き原則として競争入札によることとし、17年度においては、21件について一般競争入札を行った。
  • 所内施設の管理等に係る契約については、対象施設が増加するなかで業務内容の見直し等を行い、経費の削減に努めた(削減額6百万円)。
  • 電気・ガスなどの光熱水費については、省エネルギー対策等の推進に努め、経費の削減を行った(削減額36百万円)。
  • その他、会計事務のシステム面の改善等により、事務処理の効率化を図った。

6.施設の効率的運用

  • 大型施設、大型計測機器等の研究施設・機器、インフラ等について、所内公募を行い、多くの研究に利用でき、緊急性の高いものなどから優先的に更新・整備を行った。
  • スペース課金制度に基づき各ユニットから返納された空きスペースについて、新たな研究ニーズへの対応を中心に174mを再配分し、有効活用した。このほか、第2期中期目標期間における新たな組織編成に備え、空きスペースのうち268mを留保した。
    また、スペース課金制度の見直しを行うとともに、第2期中期目標期間における新たな組織編制に合わせたスペースの再配分に向け準備を行った。

7.環境配慮の取組

  • 「国立環境研究所省エネルギー等計画」に基づき、研究計画との調整を図りつつ大型施設等の計画的休止、エネルギー管理の細かな対応等に取り組んだ。また、省エネ型冷凍機、大型ポンプへのインバーター装置を最大限に活用し対策に取り組むとともに、17年7月からESCO事業を開始し、一層の省エネ及びCO削減を図った。
    以上の結果、電気・ガスのエネルギー消費量は、対12年度比・床面積当たりで79%となった(計画目標は対12年度比・床面積当たり90%以下)。また、二酸化炭素の排出量は対13年度比・総排出量で15%の減少となった(計画目標は18年度までに対13年度比・総排出量で7%削減)。
  • 上水使用量については、対12年度比・床面積当たりで48%の減となった。(計画の目標は対12年度比・床面積当たりで10%以上の削減)。
  • 「廃棄物・リサイクルに関する基本方針及び実施方針」に基づき、廃棄物の分別収集を徹底し、廃棄物の減量化・リサイクルに努め、廃棄物等の発生量を対16年度比で5%削減した。また、処理・処分の対象となる可燃物及び実験廃液の発生量は、対16年度比で14%の減少となった。
  • 「環境配慮促進法」により環境報告書を作成・公表する義務を負うこととなったことから、17年度の事業活動に係る環境報告書を作成するため所要の準備を行った。環境報告書は18年7月に公表する。

8.研究成果の社会への還元、広報活動

  • 研究成果の社会への還元の一環として、個々の研究者による誌上発表や口頭発表を進めるとともに、大学の客員教官・非常勤教官としての講義、各種審議会・委員会への参画の機会を活用した研究成果の普及の推進、さらに、研究成果を国民各層にわかりやすく普及するための情報誌「環境儀」の刊行(年4号)などを進めた。
  • 17年度には4件の発明を職務発明に認定した。なお、17年度には職務発明に係る特許として2件が新たに登録され、研究所が保有する特許権は43件となった。また、特許の取得等を促進するために、顧問契約を結んでいる特許事務所に取得特許の実施化、発明の特許取得可能性等について相談した。
  • 17年度の研究成果の誌上発表件数は574件、口頭発表件数は1,145件で、平成8年度から12年度までの年間平均値のそれぞれ1.20倍、1.50倍に相当し、中期計画の目標(平成8〜12年度の1割増)を達成することができた。
  • 17年6月に国立環境研究所の研究成果を発表する公開シンポジウム2005「地球とくらしの環境学−あなたが知りたいこと、私たちがお伝えしたいこと−」を東京と関西(京都)でそれぞれ開催し、1,237人の参加を得た。
  • 研究所施設の一般公開(4月と7月)、国内外からの視察(国内66件、海外38件)により、5,531人を研究所内に受け入れた。特に平成17年7月23日(土)に開催した国立環境研究所夏の大公開は、16年度から来場者の要望に応えて夏休みの開催とし、昨年の約1.8倍(3,010名)の参加を得るなど好評を博した。
  • 「国立環境研究所友の会」が研究所との交流活動として開催した第2回フィールドツアー(霞ヶ浦)をはじめとして、環境研究・環境保全に関するイベント、展示会等に積極的に協力を行った。
  • マスコミからの取材を含め、外部からの問い合わせに積極的に対応しており、17年度、当研究所の研究が紹介された新聞報道は171件にのぼった。

9.環境情報の提供等の取組

EICネット

  • 環境学習を支援し、環境情報を幅広く案内するとともに、市民の情報交流の場を提供することを目的として運営を行っているが、より魅力あるホームページを目指し、学校環境ホームページナビの全国版の完成や、化学物質に関する情報の追加など情報発信内容のさらなる充実を図った。17年度におけるEICネットの利用件数(ページビュー)は、月平均約372万件、年間の総計が4,458万件を超え、16年度に比べ大幅に増加した(48%増)。

環境技術情報ネットワーク

  • 環境保全に貢献する技術の研究開発及び普及の推進を目的に、平成15年8月から開設したホームページであり、引き続き、掲載情報の充実を図ってきている。やや専門的な情報を扱っていることもあり、アクセス件数(ページビュー)は月平均約5.5万件であったが、16年度に比べて4割近く増加した。

環境GIS

  • 16年度までに中期計画の目標に掲げられた全てのデータの提供を開始しているが、17年度は、環境省からの受託等業務として、ダイオキシン類の環境調査結果をGIS表示する「ダイオキシンマップ」を新たに整備した。

国立環境研究所ホームページ

  • 17年度における国立環境研究所ホームページの利用(ページビュー)件数は、月平均約207万件、年度総計約2,500万件であり、16年度に比べ30%程増加した。
  • ホームページを通じて最新の研究成果・データベースを積極的に発信するとともに、各研究ユニットからの情報発信を支援した。17年度中に公開を開始した主なコンテンツは11件である。各々のコンテンツでは、データベース化された情報を一般市民に分かりやすいように加工して提供するよう努めている。
  • 研究成果等のほか、国民の関心が高い環境問題をわかりやすく解説した情報をホームページ上で提供しているが、17年度は、子ども向けの「NIES子どものページ−いま地球がたいへん−」のリニューアル等を行った。

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