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平成16年度業務運営の要点

1.総括的運営方針

平成16年度は、中期計画(平成13〜17年度)の4年目の年であり、研究組織及び研究プロジェクトの円滑な運営、新たな研究棟を含む研究基盤の整備並びに所内諸システムの運用と一層の改善に努めることにより、最終年度を控え、中期計画で設定された業務目標の着実な達成に向けて以下の取組を進めた。

2.研究の着実な実施

重点特別研究プロジェクト及び政策対応型調査研究

  • 重点特別研究プロジェクト及び政策対応型調査研究については、中期計画の目標の達成に向け着実に推進し、17年4月の外部研究評価委員会において、16年度の成果についての年度評価を受けた。なお、今回の年度評価に当たっては、17年度に予定している研究内容及び現計画期間終了時に想定される成果についても説明を行い、各委員からコメントをいただいた。
  • 年度評価においては、重点特別研究プロジェクトについては、昨年度に引き続き、高い評価を得た。政策対応型調査・研究についても、化学物質のリスク管理、循環型社会の形成に関する分野とも、着実な知見の蓄積が見られる等との高い評価を得た。
  • 年度評価の結果は、各委員からのコメントも踏まえつつ、17年度の研究計画の再点検と必要な見直しを行うことにより研究実施に的確に反映させ、一層の研究の進展を図ることとしている。

基盤的研究

  • 6つの研究領域において環境研究の基盤となる研究を実施したほか、所内公募研究として、主に若手研究者の育成を主眼とした「奨励研究」、及びプロジェクト型の「特別研究」を実施した。
  • 奨励研究については、公募及び内部研究評価委員会による評価を行い、41件の基盤的研究及び長期的なモニタリングに関する研究を行った。なお、奨励研究制度については、フォローアップ調査委を行い、その結果を踏まえて17年度の募集を行った。特別研究については、外部研究評価委員会の事前評価を行い、新たに4課題を採択した(17年度から実施)。

知的研究基盤

  • 環境研究基盤技術ラボラトリーにおいて、環境標準試料及び微生物保存株の所外等への提供を行った。地球環境研究センターにおいては、「グローバルカーボンプロジェクト・つくば国際オフィス」及び「GOSAT研究チーム」を設置した。

3.企業、大学、地方環境研究所等との連携

  • 企業との共同研究(14件)、企業からの受託研究及び研究奨励寄付金による研究(15件)について、着実に進めている。特に(社)日本自動車工業会との間では、15年度から自動車排出ガスに起因するナノ粒子の生体影響に関する共同研究を実施しているほか、環境ナノ粒子に関するシンポジウムを協力して開催しており、16年度は、「2005ナノ粒子国際シンポジウム」の準備をすすめた。
  • 大学との間の交流協定等は、3件増の12件となった。人的交流としては、研究者が大学の客員教官・非常勤教官となるほか、大学からの客員研究員や研究生の受入れなどを行っている。
  • 全国地方環境研連絡協議会と連携して、第20回全国環境研究所交流シンポジウム(テーマ「生物指標・モニタリング−生物を用いて環境を測る−」)を開催するとともに、地方環境研究所との協力に関する検討会を開催した。また、32の地方環境研究所との間で72件の共同研究を実施した。
  • UNEP、IPCC、OECD等の国際機関の活動やGEO(地球観測グループ)、IGBP、Species2000(生物多様性研究ネットワーク)等の国際研究プログラムに積極的に参画するとともに、UNEPなどによるミレニアム・アセスメント、GTI(世界分類学イニシアティブ)のフォーカルポイント、Asia Fluxネットワーク、GIO(温室効果ガスインベントリオフィス)、GCP(グローバルカーボンプロジェクト:平成16年4月から)の事務局としての活動等の取組を進めた。さらに、気候変動枠組条約締約国会合(ブエノスアイレス)にNGOとして参加した。

4.研究員の確保、職務能力の向上

  • 新たな研究課題への対応等のため、16年度においては、公募により研究系職員7人を新たに採用した。一方で大学への転出者等が4人あり、16年度末の研究系職員の数は、前年度(206人)に比し3人増の209人となった。なお、このうちの任期付研究員は34人、割合にして16%となった。
  • 増大する研究ニーズに応えるため、NIESフェロー、NIESポスドクフェロー等の研究費により雇用する研究員の採用を進めた。16年度末の員数は130人であり、前年度(119人)から11人の増加となった。
  • 職員の職務能力向上のため、面接による目標設定と業績評価を行う職務業績評価制度を全職員を対象に実施した。15年度職務業績の評価結果については、16年度の6月期ボーナス(業績手当)及び特別昇給に反映させた。
  • 研究活動等で顕著な功績があった職員に対するNIES賞の表彰(2名)を行った。

5.自己収入の確保、予算の効率的執行

  • 16年度においては、総収入額17,395,000,000円のうち、自己収入として4,656,000,000円を確保した。これは年度当初の見込額(3,673,000,000円)を上まわっている。その主な内訳は、次のとおりである。
16年度 (15年度)
競争的資金等 16年度2,370,000,000円 (15年度)(2,143,000,000円)
政府業務受託 16年度2,086,000,000円 (15年度)(2,301,000,000円)
民間等受託、
民間寄付
16年度167,000,000円 (15年度)(226,000,000円)
試料分譲、
施設使用料
16年度10,000,000円 (15年度)(11,000,000円)
  • 一定額以上の契約については、専門経験を要するものを除き原則として競争入札によることとし、16年度においては、24件について一般競争入札を行った。特に、所内施設の管理等に係る契約については、対象施設が増加するなかで業務内容の見直し等を行い、経費の削減に努めた(削減額39,000,000円)。
  • 営繕工事については、全ての工事について、国土交通省への死守追認を行わず自主施工により実施し、積算精査等を通じてコスト圧縮に努めた(支出委任取り止めによる節減額40,000,000円)。
  • 電気・ガスなどの光熱水費については、省エネルギー対策等の推進に努め、経費の削減を行った(削減額32,000,000円)。
  • その他、会計事務のシステム面の改善等により、事務処理の効率化を図った。

6.施設の効率的運用

  • ナノ粒子健康影響実験棟が竣工し、これまでは炭素等の模擬ナノ粒子により暴露実験を行ってきたが、ディーゼルエンジンの排気ガスを用いたナノ粒子の健康影響についての研究を推進することが可能になった。
  • 大型施設、大型計測機器等の研究施設・機器、インフラ等について、所内公募を行い、多くの研究に利用でき、緊急性の高いものなどから優先的に更新・整備を行った。
  • スペース課金制度に基づき各ユニットから返納された空きスペースについて、新たな研究ニーズへの対応を中心に359m2を再配分し、有効活用した。
    また、本制度が施行されて以来4年を経過していること等を踏まえ、研究者に対し制度に関する意見、要望等について調査を実施した。スペース課金制度については、17年度中に、見直しを行うこととしている。

7.環境配慮の取組

  • 「国立環境研究所省エネルギー等計画」に基づき、研究計画との調整を図りつつ大型実験施設の計画的休止、エネルギー管理の細かな対応等に取り組んだ。その結果、年間エネルギー消費量が、対12年度比89%(床面積当たり)となった。(計画目標は12年度比・床面積当たり90%以下)。
    また、省エネ及びCO2削減対策として省エネ型冷凍機、大型ポンプへのインバーター装置を最大限に利用し対策に取り組んだ。さらなる対策を進めるためESCO事業の導入を図り、平成17年7月からのサービス開始を予定している。
  • 上水使用量については、対12年度比32%の減(床面積当たり)となり、計画の目標(12年度比10%以上の削減)を達成した。
  • 「廃棄物・リサイクルに関する基本方針及び実施方針」に基づき、廃棄物の分別収集を徹底し、廃棄物の減量化・リサイクルに努めた。また、廃棄物管理の充実を図るため、関連要領を整備した。

8.研究成果の社会への還元、広報活動

  • 研究成果の社会への還元の一環として、個々の研究者による紙上発表や口頭発表を進めるとともに、大学の客員教官・非常勤教官としての講義、各種審議会・委員会への参画の機会をかつようした研究成果の普及の推進、 さらに、研究成果を国民各層にわかりやすく普及するための情報誌「環境儀」の刊行(年4号)などを進めた。
  • 16年度には8件の発明を職務発明に認定した。なお、16年度には職務発明に係る特許として2件が新たに登録され、研究所が保有する特許権は45件、実用新案権は3件となった。また、特許の取得等を促進するために、 専門家による特許相談会を4回開催するとともに、顧問契約を結んでいる特許事務所に取得特許の実施化、発明の特許取得可能性等について相談した。
  • 16年度の研究成果の誌上発表件数は596件、口頭発表件数は1,121件で、平成8年度から12年度までの年間平均値のそれぞれ1.24倍、1.47倍に相当し、中期計画の目標(平成8〜12年度の1割増)の達成に向けて、着実な成果をあげた。
  • 16年6月に国立環境研究所の研究成果を発表する公開シンポジウム2004「国立環境研究所の30年−天・地・人と向き合って−」を東京都関西(京都)でそれぞれ開催し、1,167人参加を得た。
  • 研究所施設の一般公開(4月と7月)、国内外からの視察(国内81件、海外24件)により、4,259人を研究所内に受け入れた。特に平成16年7月24日(土)に開催した国立環境研究所夏の大公開は、これまでの来場者の要望に応えて夏休みの開催とし、昨年の約5倍(1,703名)の参加を得るなど好評を博した。
  • 「国立環境研究所友の会」が研究所との交流活動として開催した第1回フィールドツアー(福島県松川浦)を始めとして、環境研究・環境保全に関するイベント、展示会等に積極的に協力を行った。
  • マスコミからの取材を含め、外部からの問い合わせに積極的に対応しており、16年度、当研究所の研究が紹介された新聞報道は149件にのぼった。

9.環境情報の提供等の取組

EICネット

  • 環境学習を支援し、環境情報を幅広く案内するとともに、市民の情報交流の場を提供することを目的として運営を行っているが、より魅力あるホームページを目指し、学校環境ホームページナビや、日英対訳環境用語集の追加など情報発信内容のさらなる充実を図った。 16年度におけるEICネットの利用件数(ページビュー)は、月平均約2,510,000件、年間の総計が30,000,000件を超えるなど大幅に増加している。

環境技術情報ネットワーク

  • 環境保全に貢献する技術の研究開発及び普及の推進を目的に、平成15年8月より解説したホームページであり、アクセス件数(ページビュー)は、月平均約40,000件と安定した利用状況にある。引き続き、掲載情報の充実を図ってきている。

環境GIS

  • 新たなデータとして、「日本近海海洋汚染実態調査データ」、「海洋汚染モニタリング調査データ」及び「自動車交通騒音実態調査データ」を新たに整備するとともに、昭和45年から継続観測されている大気項目(約2,000カ所)及び昭和46年から継続観測されている水質項目(約5,000カ所)の経年変化をグラフ表示できる「全国の大気・水質の長期変化を見る」ページを新たに作成・公開した。
  • 環境省から委託・請負を受け、GIS等を活用した情報提供システムの基本設計やプログラム開発等を行った。特に、「大気汚染物質広域監視システム」(通称「そらまめ君」)については、16年度の総利用件数は18,300,000件にのぼっている。

国立環境研究所ホームページ

  • 16年度における国立環境研究所ホームページの利用(ページアクセス)件数は、月平均約1,570,000件、年度総計約19,000,000件となっている。15年度まで採用していたページアクセス件数で比較すると約1割増加している。
  • 年報、特別研究報告、環境儀等、16年度に出された報告書等の掲載を進めた。
  • 国民の関心が高い環境問題について、わかりやすく解説した「環境科学解説」をホームページ上で提供しており、16年度は、「オゾン層の破壊−過去・現在・未来」及び「湖や沼の水環境を考える―霞ヶ浦の場合―」の2テーマを掲載した。
  • ホームページを通じて最新の研究成果・データベースを積極的に発信するとともに、各研究ユニットからの情報発信を支援した。16年度中に公開を開始した主なコンテンツは15件である。 各々のコンテンツでは、データベース化された情報を一般市民に分かりやすいように加工して提供するよう努めている(例;侵入生物データベース:日本国内で在来生物・生態系への悪影響が懸念されている外来種について、生態学的情報を体系的に整理して提供するデータベース)。

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