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プロジェクトの概要

地球温暖化防止のための国連気候変動枠組条約の目標は「地球の気候系に対して危険な人為的干渉を及ぼすことにならない水準において、大気中の温室効果ガスの濃度を安定させるこ と」である。しかしながら、「安定化すべき濃度」ついて、まだ確固たる知見は得られてお らず、温室効果ガス濃度と影響の危険な水準との関係を明らかにすることが、緊急課題とな っている。わが国にとっても、京都議定書の第1 約束期間以降を見通した中長期的な気候 政策立案のために、この問題を科学的に検討することが緊急かつ重要な課題である。 本プロジェクトでは、わが国及びアジア・太平洋地域を対象にして、分野別の影響を 定量的に把握し、影響を緩和するための適応策を検討する。さらに、これらの研究成果 を統合した排出・影響予測総合評価モデルを開発することによって、温暖化影響の危険な水準と温室効果ガスの安定化排出経路に関する研究を実施する。それによって、分野 別の温暖化影響に関して確固たる知見が集積されるとともに、統合されたわが国への影響と安定化濃度との関係が示され、温暖化影響の視点から達成すべき気候安定化の 水準を提案することができる。

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