国立研究開発法人国立環境研究所
環境リスク・健康領域

第17回生態影響試験実習セミナー受講者募集のご案内

※現地参加は、定員に達したため申込終了しました※ 
オンライン参加は6/30まで申込延長します.

 国立環境研究所環境リスク・健康領域環境リスク科学研究推進室および生態毒性研究室では、生態影響試験に関する標準機関として、幅広い機関への試験の普及を図るため、平成23年度より「生態影響試験実習セミナー」を年2回開催しております。
 17回目となる今回は、OECDテストガイドラインに準拠したユスリカの遊泳阻害試験及び底質毒性試験の導入及びそれらの技術向上を目指したい方を対象に、令和5年7月5日(水)~7日(金) の3日間の日程で開催します。前回と同様に、対面実習に加えて、座学や講演等をWeb配信するハイブリッド形式で行います。皆様のご参加をお待ちしております。

日程 令和5年7月5日(水)~7日(金)
5日:13:00~17:00、6日:09:00~17:00、7日:09:00~15:00
場所 国立環境研究所 環境リスク研究棟
〒305-8506 茨城県つくば市小野川16-2
対象 ユスリカ遊泳阻害試験及び底質毒性試験の導入
及び技術向上を目指したい方
定員現地参加15名 →定員に達したため申込終了しました
オンライン参加(座学・講演等のWeb配信の受講)は
制限なし. →オンライン参加は6/30まで申込延長します.
定員超過の場合、生態影響試験の経験等を
考慮し参加者決定
参加費 なし
(昼食費は必要に応じて実費となります)

 ※初心者から中級者向けの基本的な概要・操作説明及び実習を予定しております。

開催の趣旨

 環境リスク・健康領域リスク科学研究推進室(前:環境リスク健康・研究センター リスク評価科学事業連携オフィス 生態毒性標準拠点)および生態毒性研究室は、生態影響試験に関する標準機関として生態影響試験の普及・標準化を重要なミッションの1つと位置づけており、新たに導入を検討している試験機関や民間試験施設、地方環境研究所等を対象に、基礎的な知識・技術等の普及を目的とした短期実習セミナーを平成23年度より開催しております。
 平成30年6月15日に「農薬取締法の一部を改正する法律」が公布され、動植物の影響評価の対象が従来の「水産動植物」から「生活環境動植物」に拡大されました。この改正に伴い、平成28年よりネオニコチノイド系殺虫剤など一部の神経系殺虫剤に対して試験が義務付けられていたユスリカ幼虫を用いる遊泳阻害試験が、すべての新規登録を要請する殺虫剤に対し必須となりました。2011年に採択されたOECDテストガイドライン235(OECD TG 235)によるユスリカ幼虫を用いた遊泳阻害試験は、推奨種のドブユスリカ(Chironomus riparius)に加えて、同属の国内種であるセスジユスリカ(C. yoshimatsui)を用いることができますが、採択当時はセスジユスリカに対し十分な検証が行われていなかったことが課題となりました。
 また、ユスリカは本来、底生生物であり、底質移行性の高い化学物質を評価するOECDテストガイドラインとして、底質に被験物質を添加する底質添加法(OECD TG 218)と上層水に被験物質を添加する水添加法(OECD TG 219)の2種類の底質毒性試験法があります。現状、国内の底質リスク評価は、化学物質審査法での優先評価化学物質のリスク評価(一次)評価IIに限られていますが、諸外国では欧州のREACHや米国のFIFRAを始め、底質移行性のある工業化学物質、農薬などを対象に底質リスク評価が実施されており、ユスリカだけではなく、ヨコエビやオヨギミミズ、ゴカイなど様々な底生生物を用いた底質毒性試験が用いられています。国内でも将来的に底質リスク評価の拡大を図る上で、底質毒性試験の特徴を理解し、信頼性の高い試験結果を得ることが必要です。
 信頼性の高い試験結果を得るためには、ガイドラインに示された試験法の実際を経験し、操作技術のノウハウの修得、必要な設備・器具等の整備、安定的な試験生物の入手・継代等を行うことが重要です。このような背景から、17回目となる本セミナーでは、セスジユスリカを用いたOECD TG 235とOECD TG 218およびTG 219の一部(人工底泥の調整、観察の方法など)を対象とした実習と座学を行います。さらに、ヨコエビなどのその他の底質毒性試験に関する最新の情報を提供するとともに、国立環境研究所環境リスク棟や水環境実験施設の見学なども予定しております。
 今回のセミナーでは、基本的な試験操作に加え、技術や精度のさらなる向上を目指したい方を対象とした、初心者から中級者向けの内容を予定しております。新型コロナウイルス感染症防止対策の観点から、対面実習の規模は縮小して行い、必要に応じて感染防止対策にご協力をお願いする場合がございますので、予めご了承ください(詳細は「感染防止対策」参照)。なお、座学や講演等をWeb配信するハイブリッド形式で行います。
 

セミナーの内容

 OECD TG 235に準拠したユスリカ幼虫を用いた遊泳阻害試験およびOECD TG 218およびTG 219を中心とした底質毒性試験を対象として、主に以下の内容を実施します。


  • OECD TG 235に準拠したユスリカ幼虫を用いた遊泳阻害試験の解説と実習
  • OECD TG 218およびTG 219に準拠したユスリカ底質毒性試験の解説と一部実習
  • その他底質毒性試験に関わる最新動向についての解説
  • 生態影響試験に用いる設備・器具等の紹介
  • 生態影響試験に関わる質問・相談の受付
  • 試験法を用いた研究事例等の紹介

プログラム(予定)

 (※プログラムの内容は、予告なく変更する場合があります。予めご了承下さい。)

日時内容
【1日目】 7月5日(水)
12:30~13:00 受付
13:00~13:15 開会の挨拶、セミナー開催の趣旨など
13:15~14:00[座学]ユスリカ遊泳阻害試験の概要
14:00~16:00[実習]ユスリカ遊泳阻害試験の実施(試験開始、卵塊選別)
16:00~16:15 休憩
16:15~16:45[座学]ユスリカの飼育について
16:45~17:00 質疑応答+翌日の説明等
【2日目】 7月6日(木)
09:00~09:45[座学]ユスリカ底質毒性試験の概要
09:45~10:45[実習]ユスリカ遊泳阻害試験の観察
10:45~12:00[実習]ユスリカ底質毒性試験(人工底泥調製、観察など)
12:00~13:00 昼食
13:00~13:40[講演]セスジユスリカを用いた試験法の検討について(仮)
 (国立環境研究所 菅谷芳雄)
13:40~14:30[座学]底質毒性試験法に関わる最新動向
14:30~14:45 休憩
14:45~15:30[講演]ユスリカのDNAバーコード収集とその利用
 (国立環境研究所 今藤夏子)
15:30~16:45 所内見学:実験施設及び実験機器などの紹介
16:45~17:00 質疑応答+翌日の説明等
【3日目】 7月7日(金)
09:00~10:00[実習]ユスリカ遊泳阻害試験の観察と集計
10:00~12:00[座学+実習]統計解析
12:00~13:00 昼食
13:00~13:30[座学]ユスリカ遊泳阻害試験結果の総評
13:30~14:45[講演]OECD生態影響試験法の検討の方向性 応用編
 (国立環境研究所 山本裕史、環境毒性学会リレーセミナーとの共催)
14:45~15:00 総評、アンケートの実施、閉会の挨拶

参加申込み方法

  • 参加希望の方は、下記URLの参加申込フォームより必要事項を記載の上、6月 7日(水)30日(金)までにお申込みください。(現地参加枠は定員に達したため、オンライン参加のみ申込延長します)オンライン参加者の定員は制限なしとさせていただきます。
     

     https://forms.office.com/r/Aaa246AMJK ※こちらのリンクは外部サイトに移動します.


  • 上記よりお申込み出来ない場合は、電子メールからもお申込みいただけます。下記を記載の上、件名を 『セミナー参加申込み』 として、メールアドレスメールまでお送りください。
       参加者氏名(フリガナ)、所属(職名)、メールアドレス、電話番号、
       ユスリカを用いた生態影響試験の実施経験(経験のある試験法を回答)、
       本セミナーで対象とする生態影響試験に関わる質問

参加受付期間

  参加受付期間 : 令和5年5月15日(月)~6月 7日(水)30日(金)(オンライン参加のみ)
  参加証送付 : 6月9日(金)までに電子メールにて送付いたします。7月3日(月)頃に
  オンライン接続情報(Teamsを予定)をお送りいたします。


問い合せ先

 国立研究開発法人国立環境研究所 環境リスク・健康領域
 第17回生態影響試験実習セミナー事務局
 担当:渡部、日置、山岸、大野、山本
 Tel:029-850-2864
 E-mail:メール


感染防止対策

 新型コロナウイルス感染症のまん延に伴い、様々な感染症防止対策の実施が要請されてきましたが、令和5年3月13日より、マスクの着用は個人の判断に委ねることが基本となり、令和5年5月8日より、新型コロナウイルス感染症の感染症防止上の位置づけの変更を受け、個人や事業者の自主的な感染対策に委ねられることになりました。本セミナーでは、政府が提供する「基本的感染対策と今後の考え方」に関する情報提供を受け、現時点では、以下の感染防止対策を講じたいと考えております。参加者の皆様のご協力を賜りますようお願い申し上げます。


  • 飛沫の抑制
    • 会話を伴う場面(実習など)でのマスク着用を推奨。
  • 手洗、手指・施設消毒
    • こまめな手洗やアルコール消毒による手指消毒を推奨(会場出入り口にアルコール等の手指消毒液を設置)。
    • 主催者側による施設内(出入口、トイレ、共用部等)の定期的な消毒の実施。
  • 換気の実施
    • 法令を遵守した空調設備の設置による常時換気又は、こまめな換気(1時間に2回以上・1回に5分間以上)の徹底。
  • 来場者間の密集回避
    • 入退場時の密集を回避するための措置の実施
  • 飲食の制限
    • 長時間マスクを外す飲食は、隣席への飛沫感染のリスクを高めるため、飲食専用エリア以外は自粛。
    • 飲食可能エリアにおける感染防止対策(座席間隔を開ける、消毒用ウェットティッシュの設置)を可能な限り実施。
    • 飲食中はマスク無しでの会話はなるべく控える。
  • 参加者等の感染対策
    • 有症状者(発熱又は風邪等の症状を呈する者)は参加を控えるなど日常からの参加者等の健康管理を徹底する。
    • 実習時等、声を発出する講演者や参加者間での感染リスクに対処する。
  • 参加者の把握・管理等
    • 「5つの場面」の注意喚起等イベント前後の感染防止の注意喚起。
    • 入所時の連絡先の確認。
    • 入所時の検温により、有症状(発熱又は風邪等の症状)者の入所を確実に防止する。