(独) 国立環境研究所 侵入生物データベース Japanese | English
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ヤマグワ

基本・侵入情報 参考資料リスト
基本情報
和名 ヤマグワ, シマグワ, アマミグワ

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ヤマグワ
分類群 維管束植物 双子葉・離弁花類 クワ科
(Moraceae, Urticales, Magnoliopsida, Magnoliophyta)
学名 Morus australis
主なシノニム Morus acidosa, Morus bombycis, Morus amamiana
英名等 Aino mulberry
自然分布 日本(北海道・本州・四国・九州の低山地),サハリン,中国,インドシナ半島,インド,ヒマラヤ
形態 落葉低木.高さ3~10mになる.若枝は無毛.托葉は線状被針形または狭楕円形で,先がとがり,長さ7~12mm.背面に長い灰白色の軟毛を密生.葉柄は2~3.5cmで無毛.葉身は長さ6~14cm,幅4~7cm,卵状広楕円形で深く3~5裂し,先は短く尾状にとがり,基部は切形または浅心形,表面・裏面とも脈上に短毛が散生し,裏面側脈の基部にも軟毛.花期に若枝下部の葉のわきから尾状花序を伸ばす.雌雄異株(まれに胴株).雄花序は,柄は長さ1cmほどで粗い毛があり,円筒形で長さ2cm,幅5mm.雄花は無柄~短柄を持ち,花被片は卵形で先は鈍く,背面に粗い毛を持つほかは無毛.雌花序は,柄は長さ4~10mmで粗い毛があり,球形~楕円形で長さ4~6mm,幅5mm.花被片は円形で縁に短毛を散生するほかは無毛.花柱は2~2.5mmで1.5mmの柄があり先は浅く2裂.集合果は紫黒色に熟す.
生息環境 湿生地の森林
温度選好性:暖温帯
繁殖生態 繁殖期:花期は4~5月
雌雄異株,まれに同株,風媒花.集合果
生態的特性 暖地の山地に生える.湿生地のものは生育旺盛.
侵入情報
国内移入分布 小笠原諸島(父島,母島). 国内分布図
※必ずしも色が塗られた地域全体に分布するわけではありません
移入元 琉球列島,伊豆諸島八丈島
侵入経路 養蚕用
侵入年代 明治中期および1920年代
影響 オガサワラグワとの交雑.父島・母島では,純系のオガサワラグワは少数の母樹を残すのみで,生産されている種子はほぼ雑種のみと考えられている.
影響を受ける在来生物:オガサワラグワ M. boninensis
法的扱い クワ属の生果実は,チチュウカイミバエ・クインズランドミバエ蔓延地域からの輸入禁止(植物防疫法)
防除方法 伐採
問題点等 情報整理中
海外移入分布 不明
備考
現在は,養蚕業に全く利用されていない.

小笠原の外来クワは,ヤマグワ M. australis と同定されているが,ハチジョウグワ M. kagayamae(移入元の一つとされる八丈島などに自生)と思われるものがある,との見解もある.
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