(独) 国立環境研究所 侵入生物データベース Japanese | English
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ホオグロヤモリ

基本・侵入情報 参考資料リスト
基本情報
和名 ホオグロヤモリ

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ホオグロヤモリ
分類群 爬虫綱 有鱗目 トカゲ亜目 ヤモリ科
(Gekkonidae, Sauria (Lacertilia), Squamata, Reptilia)
学名 Hemidactylus frenatus
主なシノニム Hemidactylus okinawensis, Pnoepus frenatus
英名等 house gecko
自然分布 どこが原産地であるか判然としない.
形態 体長90~130mm,頭胴長45~60mm.指下板が二分し,指の下面のほぼ全域を覆う.雄成体には25~35個の前肛孔があり,左右の大腿部の間に連続した列をなす.再生していない尾には棘状の突起が輪状に並ぶ.染色体数2n=40.
生息環境 民家などの建造物に生息.八重山諸島では牧場やサトウキビ畑にも生息.人里から離れた自然林の中ではあまりみられない.
温度選好性:低温への耐性は比較的低く,奄美大島では定着できないと見なされていた.しかし,近年は奄美大島,喜界島で定着している.地球温暖化の進行に伴い,分布域をさらに北上させる可能性もある.
繁殖生態 繁殖期:4月上旬~9月上旬.
長径9mm,短径8mm程度の卵を壁の隙間などに産み付ける.産仔数:1回に2卵を繁殖期中に2~3回産出する.
生態的特性 夜行性で主に建造物の壁面で生活する.春から秋,特に日没前後などに「チッ,チッ,チッ・・・・・」と鳴く.灯火に集まる昆虫を捕食するのがよく目撃され,外灯や自動販売機,電話ボックスで見られることも多い.
食性:肉食性.昆虫等を採食する.
侵入情報
国内移入分布 奄美諸島,沖縄諸島,大東諸島,先島諸島のほぼ全ての有人島,小笠原諸島 国内分布図
※必ずしも色が塗られた地域全体に分布するわけではありません
移入元 不明.
侵入経路 建築材や植木などの物資・人の移動に紛れて非意図的に持ち込まれたとみられる.九州~奄美諸島~沖縄島を連絡する貨客船の貨物室・客室で発見された記録がある.
侵入年代 不明.
影響 不明であるが,捕食,競合の可能性は否定できない.
影響を受ける在来生物:食物となる昆虫等,競合の可能性のある樹上性のトカゲ類等.
法的扱い 特になし.
防除方法 建造物に広く分散して生息し,かつ素早いために効率よく駆除することは困難.特徴的な声で鳴く習性,灯火の近くでよく見られる習性に着目して夜間捕獲をくり返すことが現実的.
問題点等 情報整理中
海外移入分布 内陸部を除く熱帯~亜熱帯地域に汎世界的に分布.自然分布域は不明だが,多くは移入と考えられている.
備考
国内のどの分布域でも自然林に見られないことから,国外から侵入した外来種である可能性が高い.ただし,奄美大島や喜界島を除くと侵入年代が不明であり,在来である可能性も捨てられない.近年,奄美群島において徐々に分布を広げていると推測される.本種のような小型爬虫類が在来の生物群集に及ぼす影響は判然としないが,小笠原諸島で侵略的になったグリーンアノールの例もあることから,生息状況の定期的なモニタリングが必要と思われる.
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