環境経済・政策研究室
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平成23年度の成果
タイトル |
日本における有害大気汚染物質の自主管理計画は成功したか? |
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著 者 | 小俣 幸子 |
研究の概要 | 近年、企業の自主的取り組みを促進する制度である、自主的アプローチが注目されるようになってきた。本研究は日本における自主的アプローチの一つである、有害大気汚染物質の自主管理計画を対象にした実証研究を行い、企業がこの自主管理計画に参加する動機とその効果を検証した。有害大気汚染物質の自主管理計画は産業界が主導となる自主的アプローチであるが、日本においてこのタイプの自主的アプローチに関する実証研究の蓄積は少ない。分析の結果、収益性の高い企業ほど、自主管理計画へ参加することが明らかになった。また、自主管理計画に参加した企業は、対1999年比で約20%の排出量を削減し、この削減量のうち、自主管理計画参加による削減効果は約20%と推計された。従って、本研究において、日本における自主的アプローチは化学物質の排出を削減する効果があったことが示された。 |
掲載誌情報 | 上智経済論集 第57巻 第1・2号 合併号 pp.77-92, 2012年3月 |
タイトル |
多地域応用一般均衡モデルを用いた渇水時の水資源配分の経済的評価 |
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著 者 | 岡川 梓、増井 利彦 |
研究の概要 | 近年、世界各国で水資源の希少性が認識されるようになり、費用効率的な水資源配分を実現する仕組みとして水資源の価格付けが行われている。日本においても、渇水時の効率的な水資源配分を通じた水利用の安定性の確保や、未使用淡水資源の有効利用といった観点から、水の市場取引制度(水取引)に目が向けられ始めている。本研究では、多地域応用一般均衡モデルを用いて、渇水時の水取引による水資源配分として用途間の水取引に注目し、用途ごとに水利用が限られていることの費用を定量的に評価した。分析の結果、渇水が発生する地域によって、部門別・周辺地域への影響は大きく異なることがわかった。また、水資源利用の限界便益は部門ごとに大きく異なり、用途間の水取引を実施することで渇水による経済への影響は全体として緩和されることが示された。 |
掲載誌情報 | 上智経済論集 第57巻 第1・2号 合併号 pp.55-75, 2012年3月 |
タイトル |
市場は企業の潜在的なリスクを評価するか?−日本における実証分析− |
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著 者 | 小俣 幸子 |
研究の概要 | 日本では、2001年4月から始まった化学物質排出移動登録制度(Pollutant Release and Transfer Register; PRTR制度)によって、投資家は企業の化学物質の排出量と移動量に関連する潜在的なリスクを知ることが可能となった。 この情報が入手可能になったことで、投資家は化学物質の排出量・移動量の多い企業の価値を低く評価し、少ない企業の価値を相対的に高く評価する可能性が出てきた。市場が化学物質の排出量と移動量をどのように評価するのかを明らかにした先行研究はいくつか存在するが、必ずしも同じ結論に至っていない。このように分析によって結論が異なるのは、化学物質のリスクに対する除去変数バイアスを考慮していないことや、化学物質の排出量と移動量を区別していないといった分析方法の問題に起因している可能性がある。本稿は、企業レベルのデータを用いてこれらの先行研究の欠点を修正した。その結果、排出量の増加は、企業の市場の評価を低下させるが、移動量の増加は、市場の評価に影響を与えないことが示された。 |
掲載誌情報 | 環境科学会誌第24巻5号、2011年 |
タイトル |
ヘドニック・アプローチによる東京都区部の洪水被害額の計測 ―浸水リスク変数の内生性を考慮した分析― |
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著 者 | 岡川 梓・日引 聡・小嶋 秀人 |
掲載誌情報 | 社会環境システム研究センター ディスカッションペーパー No.11-0002 → 学術雑誌掲載決定のため、リンクを削除しました |
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