国立研究開発法人国立環境研究所
環境リスク・健康領域

第22回生態影響試験実習セミナー受講者募集のご案内

 国立環境研究所環境リスク・健康領域環境リスク科学研究推進室及び生態毒性研究室では、生態影響試験に関する標準機関として、幅広い機関への試験の普及を図るため、平成23年度より「生態影響試験実習セミナー」を年2回開催しております。
 22回目となる今回のセミナーでは、OECDテストガイドラインに準拠した緑藻、珪藻、ラン藻および水生植物(コウキクサ)を用いた生長阻害試験の導入・技術向上のサポートを目的とした座学・実習に加え、藻類試験に関する新たな知見や情報の共有のための講義を予定しております。また、海産生物毒性試験法の開発・整備が進められている現状を踏まえ、海産藻類の生長阻害試験に関する内容に加え、安定かつ再現性のある結果を得るための藻類の凍結保存法についても取り上げる予定です。

日程 令和7年12月3日(水)~5日(金)
3日: 10:30~17:45、4日: 9:00~17:15、5日: 9:30~11:30
場所 国立環境研究所 環境リスク研究棟
〒305-8506 茨城県つくば市小野川16-2
(現地参加及びオンライン参加のハイブリッド形式)
対象 藻類生長阻害試験(海産・淡水産)及びウキクサ試験の導入
及び技術向上を目指したい方
定員現地参加20名程度(各機関なるべく1名)、
オンライン参加(座学・講演等のWeb配信の受講)
は制限なし
定員超過の場合、生態影響試験の
経験等を考慮し参加者決定
参加費 なし
(昼食費及び懇親会費は必要に応じて実費となります。)

※初心者から中級者向けの基本的な概要・操作説明及び実習を予定しております。

開催の趣旨

 環境リスク・健康領域リスク科学研究推進室及び生態毒性研究室は、生態影響試験に関する標準機関として生態影響試験の普及・標準化を重要なミッションの1つと位置づけており、新たに導入を検討している試験機関や民間試験施設、地方環境研究所等を対象に、基礎的な知識・技術等の普及を目的とした短期実習セミナーを平成23年度より開催しております。
 22回目となる今回のセミナーでは、緑藻ムレミカヅキモ(Raphidocelis subcapitata)の生長阻害試験に加え、平成30年の農薬取締法の改正に伴い新たに試験生物に追加された珪藻や藍藻の生長阻害試験、除草剤や植物生長調整剤で試験が義務付けられたコウキクサ試験の導入・技術向上のサポートを目的とした座学・実習を実施する予定です。また、OECDテストガイドライン201の推奨種の1つである珪藻Navicula pelliculosa(UTEX 664)が入手できなくなっている現状を踏まえ、数年前から国環研が中心となり進めている新規推奨株の追加を含むOECD TG201の改訂の進捗状況や候補推奨株(NIES-2724: Mayamaea permitis)を用いた試験の注意点についても情報共有させて頂く予定です。
 また、環境省で実施されている化学物質のリスク評価では、近年、従来の淡水生物毒性データによるリスク評価に加えて、海産生物毒性データも含めたリスク評価の必要性が指摘されていることから、「海産・汽水産を用いた慢性毒性短期試験法(検討案)」の中で提案されている、海産微細藻類(藍藻:Cyanobium sp., 緑藻:Dunaliella primolecta, 珪藻:Phaeodactylum tricornutum)を用いた生長阻害試験並びに試験株の培養法などに関する内容も盛り込む予定です。
 さらに、試験に用いる藻類の長期継代・維持については、特にムレミカヅキモにおいて通常の液体培養や寒天培養では遺伝子変異の蓄積が比較的早く進行し、化学物質に対する感受性に影響を及ぼす可能性が指摘されています。このため、国立環境研究所では、藻類を長期間にわたり継代・維持する際には、凍結保存の導入を推奨しています。本セミナーでは、大規模な機器導入によらない簡易的な藻類の凍結保存法などについてもご紹介させていただく予定です。
 本セミナーは、基本的な試験操作に加え、技術や精度のさらなる向上を目指したい方を対象としたものではありますが、一方で、生態毒性試験に携わる方々が一堂に会し、意見交換や情報共有ができる貴重な場でもあります。ぜひ経験を問わず幅広い層の方々からのご参加をお待ちしております。
 

セミナーの内容

 OECD TG201に準拠した藻類生長阻害試験およびOECD TG221に準拠したウキクサ(L. minor)試験を対象として、主に以下の内容を実施します。


  • OECD TG201の改訂に関わる最新動向についての解説
  • ウキクサ試験における葉面積計測を目的とした画像解析実習
  • OECD TG201に準拠した緑藻、珪藻、ラン藻を用いた生長阻害試験の解説及び実習
  • 藻類の凍結保存についての解説と実習
  • 生態影響試験に関わる質問・相談の受付
  • 試験法を用いた研究事例等の紹介

プログラム(予定)

 (※プログラムの内容は、予告なく変更する場合があります。予めご了承下さい。)

日時内容
【1日目】 12月3日(水)
10:30~11:00 受付
11:00~11:15 開会の挨拶、セミナー開催の趣旨など
11:15~12:00 [座学]藻類阻害試験について
12:00~13:00 昼食
13:00~15:30 [実習]藻類生長阻害試験の実施
15:30~16:00  休憩
16:00~16:45 OECD TG201の改訂に関わる動向とM. permitisを用いた試験について
16:45~17:00  質疑応答+翌日の説明等
18:00~20:00  懇親会
【2日目】 12月4日(木)
09:00~09:45 [座学]ウキクサ試験の概要
09:45~12:00 [座学+実習]ウキクサの画像解析(葉面積の解析)
12:00~13:00 昼食
13:00~15:00  ウキクサ模擬試験(葉面積の計測)
15:00~15:15 休憩
15:15~16:00 [座学+実習]藻類の凍結保存について
16:00~17:00  微生物生物保存施設の見学(田辺雄彦主幹研究員)
17:00~17:15  翌日の説明等
【3日目】 12月5日(金)
09:30~10:00[実習]模擬試験結果の集計
10:00~11:00[座学+実習]統計解析
11:00~11:30 質疑応答、閉会の挨拶、アンケートの実施

参加申込み方法

  • 参加希望の方は、下記URLの参加申込フォームより必要事項を記載の上、11月14日(金)までにお申込みください。現地での参加者は各機関につきなるべく1名まで、オンライン参加者の定員は制限なしとさせていただきます。現地参加希望者が定員の20名を超過した場合は、生態影響試験の経験等を考慮した上で参加者を決定させていただきます。
     

     https://forms.office.com/r/VWVuTtykx2 ※こちらのリンクは外部サイトに移動します.


  • 上記よりお申込み出来ない場合は、電子メールからもお申込みいただけます。下記を記載の上、件名を 『セミナー参加申込み』 として、メールアドレスメールまでお送りください。
       参加者氏名(フリガナ)、所属(職名)、メールアドレス、電話番号、参加希望形式、
       生態影響試験の実施状況(経験)、
       本セミナーで対象とする生態影響試験に関わる質問

参加受付期間

  参加受付期間 : 令和7年10月27日(月)~11月14日(金)
  参加証送付 : 11月17日(月)までに電子メールにて送付いたします。


問い合せ先

 国立研究開発法人国立環境研究所 環境リスク・健康領域
 第22回生態影響試験実習セミナー事務局
 担当:山岸、渡部、大野、山本
 Tel:029-850-2851
 E-mail:メール


感染防止対策

 本セミナーでは、県が公表する以下の感染防止対策リストに従い、十分な対策を講じた上で皆様をお迎えするつもりでおります。