国立研究開発法人国立環境研究所
環境リスク・健康領域

第16回生態影響試験実習セミナー受講者募集のご案内

 国立環境研究所環境リスク・健康領域環境リスク科学研究推進室では、生態影響試験に関する標準機関として、幅広い機関への試験の普及を図るため、平成23年度より「生態影響試験実習セミナー」を年2回開催しております。
 新型コロナウイルスの感染者数は未だ警戒すべき域を脱していない状況ではありますが、今年の7月には、対面実習の規模を縮小し、座学や講演等をWeb配信するハイブリッド形式で、2年ぶりに実習セミナーを再開することができました。今年2回目となる16回目の今回は、前回と同様にハイブリッド形式での開催とはなりますが、OECDテストガイドラインに準拠した緑藻、珪藻、ラン藻および水生植物(コウキクサ)の生長阻害試験の導入及びそれらの技術向上を目指したい方を対象に、令和4年12月7日(水)~9日(金) の3日間の日程で開催します。皆様のご参加をお待ちしております。

日程 令和4年12月7日(水)~9日(金)
7日:10:30~17:45、8日:09:00~17:15、9日:09:30~12:30
場所 国立環境研究所 環境リスク研究棟
〒305-8506 茨城県つくば市小野川16-2
対象 藻類生長阻害試験及びウキクサ試験の導入及び
技術向上を目指したい方
定員現地参加10〜12名(各機関1名まで)、
オンライン参加(座学・講演等のWeb配信の受講)
は制限なし
定員超過の場合、生態影響試験の
経験等を考慮し参加者決定
参加費 なし
(昼食費必要に応じて実費となります。
 懇親会は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、実施しません。)

※初心者から中級者向けの基本的な概要・操作説明及び実習を予定しております。

開催の趣旨

 環境リスク・健康領域リスク科学研究推進室(前:環境リスク・健康研究センター リスク評価科学事業連携オフィス 生態毒性標準拠点)は、生態影響試験に関する標準機関として生態影響試験の普及・標準化を重要なミッションの1つと位置づけており、新たに導入を検討している試験機関や民間試験施設、地方環境研究所等を対象に、基礎的な知識・技術等の普及を目的とした短期実習セミナーを平成23年度より開催しております。
 平成30年6月15日に「農薬取締法の一部を改正する法律」が公布され、動植物の影響評価の対象が従来の「水産動植物」から「生活環境動植物」に拡大されました。この改正に伴い、水産植物に関しては、従来の緑藻ムレミカヅキモに加え、珪藻やラン藻なども試験生物に追加されました。また、除草剤や植物成長調整剤に関しては、緑藻ムレミカヅキモに加え、コウキクサ(Lemna minor, Lemna gibba)の試験が義務付けられています。一方で、OECDテストガイドライン201の推奨種の1つである珪藻Navicula pelliculosa(UTEX 661)が入手できなくなっている現状や、推奨種の種名変更、さらには誤同定の存在も明らかになっており、混乱を招いているのも事実です。また、コウキクサの生長阻害試験(OECD TG221)については、葉数に加えて葉面積もエンドポイントの1つとなっていることから、試験機関における葉面積の計測方法の統一化が課題となっています。
 藻類生長阻害試験(OECD TG201)は、農薬取締法のみならず、国の化学物質審査規制法(化審法)でも採用される重要な試験法の1つでもあります。信頼性の高い試験結果を得るためには、ガイドラインに示された試験法の実際を経験し、操作技術のノウハウを修得することが重要であると考えています。また、必要な設備・器具等の整備、安定的な試験生物の入手・継代(植え継ぎ)等を行うことも重要です。
 このような背景から、16回目となる本セミナーでは、現在、国環研が中心となり進めているOECD TG201の改訂に関して、特に推奨種の種名変更や珪藻の代替種に関する最新の情報を提供するとともに、OECD TG201に準拠した藻類生長阻害試験およびOECD TG221に準拠したウキクサ(L. minor)試験(葉面積計測を目的とした画像解析)の実習を行います。さらに、世界有数の藻類カルチャーコレクションの1つでもある国立環境研究所微生物保存施設の見学なども企画しております。
 今回のセミナーでは、基本的な試験操作に加え、技術や精度のさらなる向上を目指したい方を対象とした、初心者から中級者向けの内容を予定しております。
 また、今後、新型コロナウイルス感染拡大の状況によりましては、セミナー開催の中止を検討せざるを得ない場合がありますこと、予めご了承ください。
 

セミナーの内容

 OECD TG201に準拠した藻類生長阻害試験およびOECD TG221に準拠したウキクサ(L. minor)試験を対象として、主に以下の内容を実施します。


  • OECD TG201の改訂に関わる最新動向についての解説
  • ウキクサ試験における葉面積計測を目的とした画像解析実習
  • OECD TG201に準拠した緑藻、珪藻、ラン藻を用いた生長阻害試験の解説及び実習
  • 生態影響試験に用いる設備・器具等の紹介
  • 生態影響試験に関わる質問・相談の受付
  • 試験法を用いた研究事例等の紹介

プログラム(予定)

 (※プログラムの内容は、予告なく変更する場合があります。予めご了承下さい。)

日時内容
【1日目】 12月7日(水)
10:30~11:00 受付
11:00~11:15 開会の挨拶、セミナー開催の趣旨など
11:15~12:00 [座学]藻類阻害試験の概要
12:00~13:00 昼食
13:00~15:30 [実習]藻類生長阻害試験の実施
15:30~16:30  所内見学:実験施設及び実験機器などの紹介
16:30~16:45 休憩
16:45~17:30 [講演]未定
17:30~17:45  質疑応答+翌日の説明等
【2日目】 12月8日(木)
09:00~09:45 [座学]ウキクサ試験の概要
09:45~12:00 [座学]ウキクサの画像解析(葉面積の解析)
12:00~13:00 昼食
13:00~15:00  ウキクサ模擬試験(葉面積の計測)
15:00~15:15 休憩
15:15~16:00 [講演]未定
16:00~17:00  微生物生物保存施設の見学
17:00~17:15  質疑応答+翌日の説明等
【3日目】 12月9日(金)
09:30~10:00[実習]模擬試験結果の集計
10:00~12:00[座学+実習]統計解析
12:00~12:30 閉会の挨拶、アンケートの実施

参加申込み方法

  • 参加希望の方は、下記URLの参加申込フォームより必要事項を記載の上、11月14日(月)までにお申込みください。現地での参加者は各機関につき1名まで、オンライン参加者の定員は制限なしとさせていただきます。現地参加希望者が定員12名を超過した場合は、生態影響試験の経験等を考慮した上で参加者を決定させていただきます。
     

     https://forms.office.com/r/P5hzLw3ygQ ※こちらのリンクは外部サイトに移動します.


  • 上記よりお申込み出来ない場合は、電子メールからもお申込みいただけます。下記を記載の上、件名を 『セミナー参加申込み』 として、メールアドレスメールまでお送りください。
       参加者氏名(フリガナ)、所属(職名)、メールアドレス、電話番号、参加希望形式、
       生態影響試験の実施状況(経験)、
       本セミナーで対象とする生態影響試験に関わる質問

参加受付期間

  参加受付期間 : 令和4年10月14日(金)~11月14日(月)
  参加証送付 : 11月15日(火)までに電子メールにて送付いたします。


問い合せ先

 国立研究開発法人国立環境研究所 環境リスク・健康領域
 第16回生態影響試験実習セミナー事務局
 担当:山岸、渡部、日置、大野、山本
 Tel:029-850-2851
 E-mail:メール


感染防止対策

 現在(R4年9月現在)、茨城県では参加者5,000人以上のイベント、又は参加者の収容定員が50%以下のイベントについては、感染防止安全計画を策定する必要はありませんが、本セミナーでは、県が公表する以下の感染防止対策リストに従い、十分な対策を講じた上で皆様をお迎えするつもりでおります。

  • 飛沫の抑制(マスク着用や大声をださないこと)の徹底
    • 飛沫が発生するおそれのある行為を抑制するため、適切なマスク(品質の確かな、できれば不織布)の正しい着用や大声を出さないことを周知・徹底し、そうした行為をする者がいた場合には注意、退場処分等の措置を講じる。
  • 手洗、手指・施設消毒の徹底
    • こまめな手洗やアルコール消毒による手指消毒の徹底を促す。(会場出入口等のアルコール等の手指消毒液設置や場内アナウンス等の実施)
    • 主催者側による施設内(出入口、トイレ、共用部等)の定期的かつこまめな消毒の実施。
  • 換気の徹底
    • 法令を遵守した空調設備の設置による常時換気又は、こまめな換気(1時間に2回以上・1回に5分間以上)の徹底。
  • 来場者間の密集回避
    • 入退場時の密集を回避するための措置の実施
  • 飲食の制限
    • 飲食可能エリアにおける感染防止策の徹底
    • 長時間マスクを外す飲食は、隣席への飛沫感染のリスクを高めるため、可能な限り、飲食専用エリア以外は自粛。
    • 飲食中はマスク無しでの会話禁止を徹底。
  • 出演者等の感染対策
    • 有症状者(発熱又は風邪等の症状を呈する者)は出演を控えるなど日常からの演者の健康管理を徹底する。
    • 演習時等、声を発出する演者間での感染リスクに対処する。
  • 参加者の把握・管理等
    • 「5つの場面」の注意喚起等イベント前後の感染防止の注意喚起。
    • 入所時の連絡先の確認。
    • 入所時の検温、有症状(発熱又は風邪等の症状)の入所を確実に防止する。