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予想(よそう)しない事故(じこ)や、自然災害(しぜんさいがい)によって環境(かんきょう)が破壊(はかい)されてしまうことは、毎年世界のあちこちで起こっています。たとえば、石油タンカーの転覆(てんぷく)によって、海に油が流れ出してしまうこと、大きな山火事によって、森林の木が燃(も)えてしまうこと、戦争(せんそう)や紛争(ふんそう)で化学兵器(へいき)などが使われ、自然、そして人びとの命までもが破壊されてしまうこと、などです。
みなさんは、生態系(せいたいけい)という言葉を聞いたことがあると思います。植物や動物などいろいろな生き物が、その土地の水や土や空気や太陽というめぐみの中で、深くつながりあって作りあげている世界のことを、生態系といいます。地球全体も大きな生態系ですが、家の庭だって小さいけれどりっぱな生態系です。小さな生態系がつながりあって、大きな生態系を作っているのです。
事故や災害が起こると、生態系の一部が急に破壊されてしまいます。すると、つながりあっている周囲の生態系にも悪い影響(えいきょう)がおよんでしまうのです。そのため、事故や災害が起きたときに、環境破壊が広がらないように、できるだけ早く正しい手当てをしなければなりません。そのためには、あらかじめいろいろな観測(かんそく)やデータの分析(ぶんせき)をして、影響(えいきょう)が広がるようすを予測(よそく)したり、汚染(おせん)や被害(ひがい)の広がりをふせぐための方法を研究したりして、事故や災害にそなえることが重要(じゅうよう)になります。
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インドネシア・東カリマンタンにおける森林火災(1998年3月)
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