アスベストは天然に存在する、とても細かい繊維状(せんいじょう)の鉱物(こうぶつ)のことで、石綿(いしわた、せきめん)とも呼(よ)ばれています。
単一の鉱物ではなく、クリソタイル(白石綿)、アモサイト(茶石綿)、クロシドライト(青石綿)など、いくつかの種類があります。アスベストは、熱や薬品(やくひん)やまさつに強く加工しやすいなどさまざま特性があり、建物の材料(ざいりょう)、自動車の部品など多くの製品(せいひん)に使われてきました。
ところがアスベストは、それが飛びちって人が吸(す)い込むと、アスベスト肺(じん肺の一種)、中皮腫(ちゅうひしゅ)、肺ガンなどの原因(げんいん)になります。アスベストによる健康被害(けんこうひがい)は、アスベストを吸い込んでから長い年月を経て出てくるのが特徴(とくちょう)です。
このため、徐々(じょじょ)にですがアスベストを使わない製品への切り替えが進められたり、アスベストをあつかう作業を行うときに注意することが定められたりしてきました。
そして、1995年(平成7年)には有害性が特に高いアモサイトとクロシドライトを含む製品の製造・使用が禁止(きんし)され、2004年にはその他の大部分のアスベスト製品も禁止の対象になりました。
しかし最近になって、アスベスト製品を製造していた工場で働いていた人などの中に、アスベストが原因であることがはっきりとわかる病気になったり、その病気で亡くなったりした人がたくさんいることがわかってきました。そのため、アスベストの規制(きせい)をもっと強化(きょうか)することが検討(けんとう)されています。 |
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アスベスト工場のあとに残るアスベスト製品のはへん。左の写
真は、アスベストの原石のひとつである蛇紋岩。 |
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